第六章 機能回復訓練
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鬼滅の刃たかはるとその祖父と3人で暮らしていたヒロインと伊之助の物語。
一応原作沿い。途中、抜けている部分があります。
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しのぶ様に言われた通り、自身の技で毎日欠かさず患部の回復を促進していたおかげで、私のお腹の切傷や足の骨折は順調に回復していた。
足以外の訓練になら参加できそうだし、これならあと一、二週間もあればまた戦えるようになりそうだ。
そうは思っているのだが、訓練を終えた伊之助や炭治郎が余りにもぐったりとして、声もかけられないほど落ち込んでいる様子なので、訓練に参加するのが恐くなる。
「ぜ、善逸…私達も、もうすぐで訓練に参加する事になりそう…だね…」
「あばばばばば…いやだよぅ…怖すぎでしょ…行きたくないよぅ…」
先日、善逸達と同じ部屋に移動してきた私は、善逸に声を掛ける。
善逸はガクガクブルブルと怯えて顔面蒼白だ。
そしてついに、私と善逸にも訓練参加の許可が降りた。
私はまだ松葉杖を着いているので、足を使わない訓練になるそうだ。
善逸はこの世の終わりのような顔をしながら炭治郎にしがみついている。
私は皆に遅れないよう、二本の松葉杖と右足でぴょんぴょんと着いて行った。
伊之助は時折歩くスピードを遅くして私の様子を気にかけてくれる。
以前の伊之助だったら、私を抱えて移動した方が楽だし早いしで、そのようにしそうだが、今の伊之助はそうしない。
周りの状況や、自分の足で歩こうという私の思い等を汲み取っているのかいないのか…
そこのところは不明だが、とにかく冷静に物事を考えられるようになったのだと思う。
「伊之助、遅くてごめんね。
合わせてくれてありがとう。」
「はぁ?何の事だ!!」
私が申し訳なさそうに言うと、伊之助は何故そう言うのか分からないといった感じで返してくる。
本能的な優しさなのか…
だとしたら胸がきゅーんとするじゃないか。
私達一行は訓練場に着くと、訓練内容の説明を受けた。
"柔軟→反射訓練→鬼ごっこ"という内容だが、私は鬼ごっこの代わりに、上半身の筋トレだ。
「うわぁ…私、身体硬いんだよなぁ…」
前に伊之助が言っていた、"痛え"ってやつはこの事か。身体の柔らかい伊之助で痛いなら、私は関節どころか骨が砕けて死ぬんじゃないか?
早速弱音を吐く私の隣で、善逸は弱るどころか何故か怒っていた。
「おい!!こっち来い!!」
余りの剣幕に、伊之助でさえ一瞬怯んだ。
善逸は伊之助と炭治郎を無理矢理部屋の外に引き摺り出すと、善逸の怒号が聞こえてきた。
「天国にいたのに地獄にいたような顔してんじゃねぇぇ!!
女の子に触れるんだぞ!!
女の子一人につきおっぱい二つお尻二つ太もも二つついてんだよ!!
すれ違えばいい匂いがするし、見てるだけでも楽しいじゃろがい!!」
…善逸が女の子好きなのは知っていたが、ここまでとは…
私はアオイさん達と目を合わせて、全員でドン引いた。
「わけわかんねーコト言ってんじゃネーヨ!
自分より体小さい奴に負けると心折れるんだヨ!」
伊之助は相変わらずの掠れ声で、そんな善逸の助平心を一蹴したので私は安心した。
伊之助まで女の子がどうのこうの言い出したら立ち直れない。
「ヤダ可哀想!
伊之助女の子と仲良くした事ないんだろ!
山育ちだもんね!
遅れてるはずだわ!」
伊之助のそういうとこが良いんでしょーが!と善逸に言ってやりたかったが、伊之助が何か言い返し出したので私は足を止めた。
「はぁぁぁん!?あるわ!!
俺小波にいつも触ってるもんね!!」
…?
「はっ!!俺だって小波に抱き着いたりするし!!」
…??
「あ、それなら俺も小波と握手なら…「おいぃぃ!!やめろやぁぁ!!
私が淫らな女みたいに思われるだろがぁぁ!!
もう!!君ら三人二度と私に触るな!!」
私は彼らを隔てていた襖を勢いよく開け、松葉杖で三人の頭頂部を華麗に打ち抜いた。
我ながら、手負いで見事な一本が入ったと思う。
男達は、怒ったりポカーンとしたり泣き喚いたり、三者三様だがそんなのは知らない。
「うちの三馬鹿がすみません…。
さぁ訓練始めましょうか…」
アオイさん達は哀れな目で私を見ていた。
誤解されなくて良かった…。
そして私達は訓練を開始した。