第五章 那田蜘蛛山
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鬼滅の刃たかはるとその祖父と3人で暮らしていたヒロインと伊之助の物語。
一応原作沿い。途中、抜けている部分があります。
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肋を骨折している伊之助、炭治郎、善逸は完治するまで安静に、という事で藤の家紋の家で休養をとることになったが、無傷の私は明日から任務が入るらしい。
私は4人でゆっくりできるこの時間を楽しもうと考えていた。
すると、お婆さんが気を遣って、私の分の布団も同じ部屋に敷いてくれた。
善逸、炭治郎、伊之助、私の順に並んで川+1の字で皆仲良くそれぞれ布団に入る。
他愛もない会話をしていたのだが、ふと善逸が思い立ったように炭治郎に尋ねた。
「誰も聞かないから俺が聞くけどさ、鬼を連れているのはどういうことなんだ?」
「ちょ、ええええ?おおおおに?鬼?炭治郎、鬼連れてるの!?」
私は思わず大きな声を出してしまった。
首を思い切り右に向けたので、ゴキっと首の鳴る音がしたが、それどころではなかった。
伊之助の様子を伺うと、彼は気付いていたようだ。
そしてそれは、伊之助が善逸に対し、殴る蹴る等の暴行を働いた原因でもあった。
今の伊之助は、炭治郎の言葉を待っているかのように思えた。
善逸は炭治郎が背負っていた箱を見ながら問いかけ、私もつられてその箱を見た。
「…え、小波気付いてなかったの?」
「気付かないよ!いや、なんか違和感はあったけどさ…
皆が皆、あなた達みたいな特殊能力の持ち主だと思わないでくれる!?」
そうだ。私が変なのではない。
彼らの五感が特殊過ぎるのだ。
違和感を感じただけ、褒めて欲しいとさえ思う。
「善逸、分かってて伊之助から庇ってくれたんだな。
善逸は本当にいい奴だな。ありがとう。」
炭治郎にお礼を言われ、恥ずかしそうに転がる善逸の傍で、例の箱がカタカタ音を立て出し、扉が開いた。
「キャーーーッ!!鍵かかってないんかい!!」
炭治郎が背負っていたとはいえ、鬼が出てくるという状況には変わりなく、善逸は騒ぎ立てて何度も喧嘩をした伊之助に助けを求める程、パニックに陥っていた。
蹴飛ばされていたが…。
箱の中から出てきたのは、猿轡のように竹を咥えた髪の長い女の子だった。
その子はズズズと背丈を伸ばし、私と同じくらいの身長になった。
「禰豆子は俺の…」
「………いいご身分だな…!」
「善逸?どうした…「こんな可愛い子連れて、毎日うきうき旅してたんだな…
……鬼殺隊を舐めるんじゃねぇぇぇ!!!」
善逸は血の涙を流しながら、炭治郎を追いかけ回していた。
「禰豆子ちゃんて言うの?」
「むー!」
「炭治郎の彼女なの?」
「むーむー!」ブンブン
「妹?」
「むー!」ブン
「そっか妹かぁ!かーわいいねぇ!私は小波だよ!よろしくね!」
「む〜〜。」
私は旅の仲間に女の子がもう1人いる事が嬉しかった。
その後は、炭治郎と善逸を尻目に、私は明日の任務に備えて寝ることにした。
隣で伊之助が爆睡していた事と溜まった疲労のお陰で、騒がしさの中でも私は直ぐに眠りに落ちることができた。