第五章 那田蜘蛛山
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鬼滅の刃たかはるとその祖父と3人で暮らしていたヒロインと伊之助の物語。
一応原作沿い。途中、抜けている部分があります。
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私達は「藤」と書かれた家紋の家に到着した。
昔、鬼殺隊に一族を救われて以来、鬼殺隊の為に寝床や食事を提供し、尽くしてくれているそうだ。
中から出てきたお婆さんに部屋を案内されると、そこには綺麗に折り畳まれた藤色の浴衣が3着あった。
「皆さん湯浴みをしてきて下さいませ。
小波さんのお召し物とお部屋は今からご案内しますね。」
そう言われ私だけ移動し、伊之助、炭治郎、善逸はその部屋に残った。
私は隣の部屋に案内された。
薄桃色の浴衣と藍色の帯が用意されていた。
「女湯はあちらになります。ごゆっくりどうぞ。
湯浴みを終えたら、お食事をご用意しますね。」
「わぁ、可愛い浴衣。ありがとうございます。
あ、そうだ、裁縫箱なんて、お借りできますか。」
「はい、お部屋にお持ちしておきますね。…では。」
私は、鬼殺隊といえど、しっかり男女区別されて扱ってもらえた事に感心しながら、湯浴みの用意をしていた。
一方、男組。
「おい!!小波はなんで部屋がちげーんだ!!なんで同じ建物にいんのに別々なんだよ!!」
伊之助は小波が別の部屋に通された事に納得いっていなかった。
というか、理解出来ていなかった。
以前、小波に教わった様に湯浴みをしながら、炭治郎と善逸に疑問をぶつける。
「小波は女の子だから、それは仕方がないよ。ほら、風呂だって違うだろう。」
「風呂が別なのは何となくだけど分かるわ!舐めんな!!俺が言いてぇのは、なんで群れから離れんだって事だよ!!」
伊之助にとって、この4人は群れとして認識しており、小波があえて群れから遠ざかった事が不思議で仕方がなかった。
「む、群れ!?ぷぷ………
いや、お前馬鹿だなー。
最終選別終わった後、小波と宿で休憩したって言ってたけどさぁ、その時、着替えはどうしてたんだよ。小波はお前の前で着替えてたのか?」
「あぁ?あー、いつの間にか服が変わってたな…。
あ゙っ!!…てめぇ今!馬鹿っつったか!?殺すぞ!!!」
「こらっ!喧嘩は駄目だ!」
「はぁ…。そんな事も分からないなんて馬鹿でしょ!
お前が居ないうちに着替えたんだから、着替えを見られたくないって事だろ?女の子は、男の前で着替えたり、身支度整えたりしないの。だから部屋が違うの。覚えとけよ!」
善逸に諭され伊之助は、めんっどくせぇな…とブツブツ言いながら、しっかり肩まで湯に浸かるが、眉間の皺は取れないでいた。
そんな伊之助を励ますかのように、炭治郎は伊之助に声をかけた。
「伊之助、体もちゃんと洗って、上手に湯浴み出来るんだな!」
「ったりめーだろ!小波にうるせーくらい教わったんだ!お前らに出来る事は俺にも出来る!!ハッハッハッ!
…はっ!着替えとか、その…ミジタクとか、それ以外なら群れに戻って来れるんじゃねぇか!!」
気を良くした伊之助の眉間の皺は取れた。
「伊之助にしては良い考えだな!小波に聞いてみたらいいんじゃないのか?」
「あ!!それいいねぇ!むさ苦しい所に小波が居てくれたら花が咲くね!!」
おっしゃあ!と伊之助は風呂を飛び出した。
─伊之助、本当に小波が大好きなんだなぁ。
─というか、主人に懐く大型犬みたいだよ。
─あぁ、それがしっくりくるな…