第二章 成長
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鬼滅の刃たかはるとその祖父と3人で暮らしていたヒロインと伊之助の物語。
一応原作沿い。途中、抜けている部分があります。
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私は歩いた。ひたすら。
腰に刀を下げた人を見付けようと目を凝らした。
しかし、刀を持っていること事態が罪に問われるために、鬼殺隊の人達は町では恐らく、堂々と刀を所持していないと思われる。
さらに、鬼殺隊の人達は夜に活動する事が多い。
そこで私は日没の頃合いを見計らって、町に出るようにしていた。
昼間は、貯金から閲覧料を出し、図書館で医学を学んだ。
そうして、師を求める事およそひと月、日没が近付いてきた頃に、腰に刀を下げた老人を見付けた。
私はすかさず声をかけ、自分の名前と全ての事情を話した。
「私に剣術を教えてください!」
「うん、いいよ。」
その老人は海勢頭鉄忠(うみせど てつただ)と名乗ってくれた。
間髪入れずに成り立った師弟関係に、私は目を点にして、首を前に出した。
海勢頭さんは、鬼殺隊を続けるか、引退して育手となるか迷っていたそうだ。
周囲には、弟子もいないのに育手になるのかとからかわれていたという。
プリプリ怒りながらその話をする海勢頭さんは、鬼殺隊の乙(きのと)で、上から2番目の階級だったそうだ。
(私は凄い人の弟子になれたのかもしれない…。)
私は自分の運の良さに驚く事がしばしばある。
私を弟子にしてください!
─うるさい!静かにしろ!
私を弟子にしてください!
─まだ言うか!儂は弟子をとらん!
私を弟子にしてください!
─だぁぁぁまぁぁぁれぇぇぇぇ!!!!
…のような、某温泉少女勇気物語のワンシーンを想像していたのだ。
海勢頭さんは普段はチャーミングなおじいちゃんという人柄だが、修行となるとそれはもう厳しかった。
「つま先に力が入っておらん!」
「呼吸が止まっておる!」
「なんじゃそれはぁ!!構えの位置が低いんじゃぁぁぁ!!!」
あの女性隊士が言った、
「血を吐く程の鍛錬を行えば、私みたいな女でもなれますよ。」
という言葉を思い出した。
…いや、血どころか、内臓が全身の穴という穴からまろび出そうだよ……。
私は今まで、普通の女の子として、のうのうとぬくぬくとおめおめと過ごしてきた事が痛い程分かった。
しかし弱音は心の中に留め、持ち前の根性で修行と勉学をコツコツと両立していった。