ボツネタ
あの日から随分時間が経って
だいぶ、、、傷は癒えて、自分なりに整理出来たと思ってた
でも、
「土生ちゃん〜!今日もカッコイイ!!」
「今度ご飯行こうよ!」
「ん〜?いいよ〜、あ、今日の髪型かわいいね似合ってるよ」
「ほんと?!」
「うん、1番かわいい」
今までは私だけだったはずだった言葉や行動が
目の前で自分以外の子に向けられているのを見ると
やっぱり…苦しくなる。
でも、初めは泣けてきてその場から逃げるようにしてたけど
今は、またか…って思えるくらいの余裕ができるぐらいには
強くなれたんかな、
「なんて顔してんの」
「?!つめたっ!理佐ぁ、もー…」
「なに?アイス要らないの?」
「食べる〜」
「ん。でもこぼさないでよ」
「分かっとるて〜」
きっと、私を心配して来てくれたんやな。申し訳ない。
「理佐、ごめんな。」
「なに?こぼした?」
「まだこぼしてへんわ」
「いや、こぼす前提なの?」
理佐の優しさに甘えて
アイスを食べながら沢山話をした
「そしたら、ねるがさ〜」
「あはは、流石ねる」
「いやいや、笑い事じゃないんだってー」
こうやって笑ってると少しだけでも、
あの子を考えなくて済むから少し…気が楽なんよな…
でも。ほんまに、少しだけ…
すぐに、
「好きって言ってー?」
「好きだよー?」
『好きだよ、みいちゃん』
『みいちゃん』
『美波、』
思い出して、
「あはは、、、ほん、まやね…」
また苦しくなる
せっかく理佐が元気づけに来てくれたのに。
あかん、また泣いちゃう、
もう、大丈夫やと思ってたのに、
「ごめ、ん。ちょっと、御手洗いってくるな、」
涙が溢れてしまう前に、
そう思って立ち上がったのに
何故か、、、
抱きしめられてて、
「へ…?」
間抜けな声が出てしまった
行動の意味がよく分からへんし、
急すぎて、
「り、りさ…?」
恐る恐る名前を呼ぶと
ゆっくり離れて
今度は
じっと、見つめられる、
え。何。この雰囲気。
ホンマにどうしたん。この子。
そんなことぼけーっと考えてると
「なにしてんの」
聞いたことないくらいの低い声が聞こえたと思ったら
腕をグイッと引っ張られた
「え。はぶちゃ、」
最後まで言い切る前に土生ちゃんの腕の中に、、、
ふわっと土生ちゃんの匂いに包まれて、、、
ぎゅっと、私に回ってた腕に力が入ったのが分かった
私の大好きな場所やったな。
懐かしい。
今まで抑えてた感情が溢れてきて
思わず抱きしめ返してしまった。
それを土生ちゃんは理佐が怖かったと感じたのか
さっきよりも力が強くなって
土生ちゃんの顔を見上げると、
理佐をものすごい顔で睨んでる
でも理佐はなんだか嬉しそうな顔をして
「やっぱり気にしてたんじゃん」
「…ねるにチクってやる」
「そんなこと言ってる余裕あるならヘタレてないでちゃんと話し合いなよ」
「……ありがとう、睨んでごめん。」
「いいよ、でも怖いからもうしないで」
「うん、でもねるにはチクる」
「絶対やめて。」
そんなやり取りをみてると
タイミングよく理佐の携帯が鳴った
「げ。ねるだ…もしもし、いや。してないって、」
理佐は困った顔で笑いながら廊下へいってしまった
きっと女の勘が鋭いねるに質問攻めされてるんやろうな、
って、そんなことを呑気に考えてる場合じゃない。
理佐は行ったのに土生ちゃんはまだ私を離さず抱きしめてる
どうしたら良いか分からへん。
離したほうがええんかな、
でも。もう少しだけ、このままがええな。
「…」
少しだけ。
期待しても、、、いいんかな。
上手く言葉に出来ひんけど、
ぎゅっと、抱きつく力を強くした。
でも、土生ちゃんは、
背中に回ってた手を肩に置いて
体を離した
やっぱり。
期待せんきゃ、よかった。
「ンフフッ」
「んっ、、、え、」
「好き」
「えっ、」
「やっぱり美波だけなの。もう離れたくない。」
「でも、」
「でもなんて言わないで。」
「土生ちゃん…」
「好き…愛してる…もう離れてかないで、」
「うん。私も好き
でも、他の子に、、好きとか言うん嫌。」
「うん、もう言わないよ。みいちゃんにだけ」
「絶対やで?」
「うん、約束する」
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