白西
『麻衣…ななも、好き、』
ぁぁ…これは絶対夢だ
だって君が泣いて抱きしめて、
私と同じ気持ちだと言うんだから、
夢だって、現実じゃありえないって頭で分かってても
夢の中の私にはそんなの届かなくて
『私も…七瀬が好きだよ』
なんて幸せそうに笑って抱き締め返してる
凄い幸せそう…
抱きしめてた手を七瀬の頬に添えて
お互いを愛おしいそうに数秒見つめあって、
引き寄せ合うように近づく
だめ、、、こんな、最低な夢見たら…
なんて考えても止められるはずもなく
チュッ…
頭に響いたリップ音がやけにリアルで
体が疼いた
もう、それ以上…
『七瀬っ…』
『ん…ええよ、麻衣…』
やめて。
もう、やめて。
考えとは反して夢の中の2人は互いを求め合ってて
見たことも無いくらい…幸せそうで、、、苦しかった。
6:21
「ーっ………最っ低……」
自分にムカついて傍にあった枕を乱暴に投げて
携帯で時間を確認して
またベッドに寝っ転がった
本当ならあと少しで起きて支度しなきゃいけない時間
でも、そんなのどうでも良くなるぐらい
胸が痛んで仕方なかった
あんな夢見たくなかった
自分が本当に望んでいることを気付かないふりをして
気づかないように押し殺して…押し殺して…
なのに。あんな夢をみたら…
「………なんで……こんなに、どうしようもなく…好きなんだろ…」
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