渡邉家
保乃 高校1年
ひかる 中学3年 のお話
ひかる「おはよう」
理佐「おはよう」
ねる「おはよう〜ご飯できるけん、顔洗っといで」
ひかる「ん、 」
流石に中学生にもなると朝起きて泣くことは無くなったひかるですが、その片鱗は消えず
たまに眠たすぎて不機嫌で起きてくるのですが
今日は割と機嫌がいい日みたい
保乃「あ、ひぃちゃんおはよう」
ひかる「…いたの」
保乃「う、うん…
朝練無かったからひぃちゃんと行こうかなって、」
ひかる「…有美ちゃん達と行けば
次使うから、どいて」
ひかるの冷たい言葉に傷つき
目に涙を浮かべる保乃
流すまいとサッと拭き取ってごめんな、と一言行ってその場から離れます
あれだけ仲の良かった2人も
歳を重ねるごとに保乃に対しての態度が冷たくなってしまい
1日数回会話出来ればいい方、とまでになってしまいました
保乃「保乃、もう行くわ!」
ねる「え、今ご飯できたよ?」
理佐「朝ごはんは食べないとダメだよ」
保乃「じゃ、弁当に詰めて適当に早弁する!
やっぱり朝は体動かさんと調子狂うから自主練してくる!」
ねる「保乃…」
保乃「あ、自分でやるからええよ!
ママははよご飯食べやー」
理佐「保乃、いいから、座りなさい」
保乃「…いってきます、」
ねる「保乃!」
逃げるように家を出た保乃と入れ替わるように
ひかるが戻って来ました
理佐「ひかる」
ひかる「…いただきます」
理佐「はぁ…電話してくる」
ねる「うん、」
黙々とご飯を食べるひかるの隣に座り
大きくなった我が子の頬を優しく撫でるねるママ
ひかる「…なに、」
ねる「ひかる…失ってからじゃ…遅いけんね、」
ひかる「…」
ねる「ひかるはパパによく似て怖がりでヘタレで
でも飛びっきりの愛をくれる子やってママは知っとるよ」
ひかる「…何が言いたいの、」
ねる「んふふ、今日は学校休んでママとデートしようか」
ひかる「は?」
ねる「決まりっ、ふふっ、どこ行こうね〜」
断る暇も与えず強引に決まったデート
初めは面倒に思っていたひかるも
今日は苦手な英語のテストがあるのを思い出して
その案に乗ることにしました
ねる「行きたいところある?」
ひかる「んー…公園、かな、」
ねる「ふふ、さくら公園?」
ひかる「うん、」
ねる「じゃぁ、さくら公園にデートしに行こうか」
ひかる「デートって、
そんなこと言ってると、パパ拗ねるんじゃない?」
ねる「んふふ、お互い様やけん、いーの」
ひかる「?お互い様ってなに?」
その頃の理佐パパ
理佐「うん、、、ごめん、」
菅井『いいよ〜、難しい年頃だもんね』
理佐「そうだね…じゃ、また連絡する」
菅井『うん!頑張って!』
理佐「うん、ありがとう
よし…」
電話を終えて車に乗り
昔よく子供たちを連れていった、さくら公園まで走らせ
理佐「ん、みーつけた」
保乃「パパ、」
理佐「ふふ、保乃はねるに似てすぐ強がる」
保乃「そんなこと、」
理佐「あるでしょ、自主練って嘘ついて公園で泣くなんてさ」
保乃「…」
理佐「今日、パパ休みになったんだ
だからドライブデートでもしようか」
保乃「え、でも、学校、」
理佐「もう連絡して休みでーす」
保乃「…普通親って学校サボるなって言うんちゃうの?」
理佐「サボりじゃなくてデートだから!」
保乃「えぇ、」
理佐「保乃が行きたがってた柴犬カフェ行く?」
保乃「行く!」
理佐「んふふ、じゃ涙拭いて、車に乗ろう」
小さな子供にするみたいに優しくハンカチで目元を拭いて
頭を撫でる理佐パパの姿に
きっとママはパパのこういうとこに惚れたんやろうなぁ、なんてぼんやり考えながらお礼を言って
パパの車へ、