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渡邉家






渡「ただいま」




…あれ、



いつもなら元気な足音が聞こえてきて


パパおかえりーって可愛い可愛い可愛い笑顔でお出迎えしてくれるはずなんだけど。




一人で廊下を歩いてリビングに続くドアを開ける






ね「あ。おなえりなさい」






ソファーからひょっこり顔を出したねるは

困ったように笑って
パパかえってきたよー?と言ってる


なにかあったのかな、とソファーを覗き込むと


大好きなポケモンのぬいぐるみをギュッと抱えて
ソファーに小さくうずくまって寝っ転がるひかると
ねるのお腹にしがみつくように抱きつく保乃が、






渡「え。どういう状況?」






ねるはまた困ったように笑って手招きをしてきたので

顔を寄せる








ね「今日、みいちゃんたちが遊びに来たんだけど、」








今日は美波のとこの有美子ちゃんと梨名ちゃんを呼んで
お家で遊んでいたらしい


皆でお絵描きや、おままごとしたりして遊んで
お昼寝の時間になった頃



ね「お布団敷くから待っとってね」




眠たいお目目を頑張って開いて待ってる子供たちの為に
二人でテキパキと準備をしていると






保「2人とも ぬいぐるみぎゅーしてねるん?」






梨名ちゃんはキリンさん
有美子ちゃんはネコさんのぬいぐるみを抱きしめているのが気になった保乃がそう聞くと
2人は眠そうに頷いて





有「ほのちゃんは ぬいぐるみさん なに?」

保「ほの ぬいぐるみないで」

梨「ひかるも?」

ひ「うん」

有「おへやに いっぱいぬいぐるみあったのに」

梨「ぬいぐるみ なくてもねれるの すごいなぁ」

保「ふふっ ほのは ぬいぐるみじゃなくて
ひぃちゃんぎゅーしてねるからすぐねれるんやでっ
ぎゅーすると ぽかぽかして すぐねれるんやでっ
ひぃちゃんすごいやろっ」

梨「キリンさんやってすぐねれるで?かわええし」

保「ひぃちゃんのがかわええもんっ
きょうも ひぃちゃんほのとぎゅーしてねよな?」

ひ「んん、、、」

有「ふふっ、ひかるちゃん まっかだ かわいい」





美「2人ともかわええなぁ」
ね「ふふっ、2人も可愛いばい
あのぬいぐるみ土生ちゃんチョイスやろ?」
美「あー、わかる?2人とも1番最初のおもちゃがあれなんよ」
ね「ぬいぐるみムギュムギュして待ってるの可愛いかねぇ」





何故かドヤ顔で自信満々に言った保乃に対して
ひかるは皆に可愛いと言われて少し恥ずかしくなったのか






ひ「きょ、きょうは ぽっちゃまとぎゅーするっ、」











渡「で。それに拗ねた保乃が有美子ちゃんにベタベタ引っ付いて寝て、それにひかるが拗ねて離れた所で寝て。」


ね「で、起きてからもずっと拗ねたまま、
仲直りさせようとしたんだけど、保乃が」


保「ほの ぽっちゃま きらい。
ひぃちゃん…ぽっちゃまとぎゅーしてた。」






保乃の声が少し震えてる

よほどポッチャマに負けたのが悔しいらしい


ひかるはそのポッチャマのぬいぐるみに顔を押し当ててうずくまってるから表情が見えないけど
グスングスンと聞こえてくるからきっと保乃の言葉は聞こえてるんだろう



あまりの可愛さにため息が出てくる


絶対世界で1番可愛い喧嘩だと思う








ね「りっちゃん、可愛いさを噛み締めてないで何とかして。」


渡「あ、ごめんごめん、あまりに可愛すぎて、」







カメラを向けたくなるのを何とか抑えて


未だに顔を見せてくれないひかるの背中を撫でる






渡「ひかる、ただいま」

ひ「ヒグッ…グスッ…おかっ…グスッ…えりっ…」








できるだけ優しく声をかけると
少しだけ頭を上げてくれてちらっと見えた顔は涙でぐずぐず









渡「ふふ、めっちゃ泣いてんじゃん」

ひ「ヒグッ…ないてっ…グスッ…グスッ…なぃ、、、」

渡「ふふっ、泣いてないのね、そういうことにしといてあげる」








泣いてないって言いながら大きなお目目からボロボロ涙を流す姿が可愛いくて思わず頬が緩んでくる

あ〜…可愛いすぎる、

この姿を動画で収めておきたいけど
そんなことしたらきっとねるに叱られるだろうから我慢、










渡「よっ、」

ひ「わぁっ、ぱぱ、?」

渡「ちょっとパパとお話しよっか」

ひ「ヒグッ…グスッ…ん。」

渡「ねる」

ね「うん、任せて」








未だに泣き続けるひかるを抱えて自分の書斎に入る

保乃はねるに任せて

仲直りできるようにこのチビ助を励ましてやろう







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