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「ん、、、んんっ………いってぇ……」






重たい体を無理やり起こす
 






気持ち悪い



頭が痛い






完全に二日酔いだ








「あ…」










今日の為に購入した少し高めの洋服が目について




今日が、なんの日なのかを思い出して




約束の時間まであと20分





このままじゃ完全に遅刻だ、





急がなきゃ、ってベッドから出ようとしたけど





余計な考えが邪魔をして





一気にやる気が抜けてまた体をベッドへ体を倒す






このまま二日酔いで遅刻したーとか




酔って忘れてたーとか、




適当に言い訳しとけばいいや。















〜〜〜♪





「………チッ…うるせ、」









今日という時間が、存在が私の中で無かったことする為に





丸々1日寝てやろうとやろうと意識を手放そうとしたタイミングでけたたましくなる携帯





着信音で誰かなんて直ぐに分かった




いつもなら無視するけど




昨日酔った勢いで着信音をふざけた音に変えていて




掛かったタイミングとふざけた着信音にイラついて







「うるせぇーんだけど」







電話の一言目に相応しくない言葉を乱暴に放った




ちょっとキツく言いすぎたかなってすぐに思い直したけど





どうせ愛佳だし別にいいか、








『ンフフッ随分虫の居所が悪いんやね?』



「えっ、」













ーーーーー







『ンフフッ驚いて言葉が出ん?』








驚いた




まさかねるが出ると思わなかったし




こうやって会話をするのは1年ぶりで、




なにより







きっと生きてきた中で1番忙しくて




でもそれ以上に沢山の愛を感じて、




大切な人と一生を誓う日。





ねるの結婚式。





だから、1番忙しいはずの新婦がこんな時間に掛けてくるなんて、








『理佐…?』








頭で考えるばかりで何も言わない私を心配したのか



小さくねるが私の名前を呼んだ




ずるい。



いつもはりっちゃん呼びのくせに、




昔の私なら安心させるようになるべく明るい声で返事をしただろう



でも、昔のような強さは今の私にはなくて







「実は今さっき起きたばっかりなんだ、二日酔いも酷くて、
今日は行けそうにない、ごめん、」







本当は私じゃない誰かと一生を誓う所なんて見たくないだけ、




私じゃない誰かとこれからの幸せを思い描くねるを見たくなかった




結局は自分が傷つきたくないだけ。




何日も悩んで出席を選んだくせに




最後の最後で結局ヘタレる自分に




ねるの幸せを素直に祝えない自分に嫌気がさす








『…やっぱり…理佐はいつまで経ってもねるから逃げるんやね、』



「…」



『っ…何も言わんと…?』



「ごめん、」



『…ねるが結婚してもいいって本気で思ってると?』



「な、何言って、んの…
今日の主役が言うことじゃないよ、」



『そんなんねるやって分かっとるばい!』



「っ、」



『…期待したねるが馬鹿やったっ』



「ねる、」




『ねる、そろそろ時間だよ』

『はい。……りっちゃん、さようなら。』






電話が切れたのに




頭ではさっきの会話が永遠とリピートされてて




どうして、そんなに辛そうなの?




期待って何…?




私に何を期待してたの…?





わかんないよ。









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