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ただ寂しくて



1人で家にいるのが嫌で



誰でもいいから



会いたくて、



抱きしめて欲しくて、



抱きしめたかった




本当に誰でもよかった



なのに、頭に浮かぶのはあの子だけで。




ううん、誰でもいいなんて嘘。









「りっちゃ、うわっ、、、理佐、どうしたの?」




ドアが空いて直ぐに飛びつくように


抱きしめると


戸惑いながらも抱きしめ返してくれたことに安心したけど


すっかり方言が抜けて標準語になってるのに少し寂しくなる


急に来てごめんね、なんて謝る余裕すらないくらい


ぎゅっとしがみつくようにしてると


ふふってお姉さんみたいに笑って


あやす様に背中を撫でてくれた



落ち着く

あったかい

心地いい



さっきまで寂しさが嘘みたいに

暖かくなって

離れたくないなんて、、、




「中、入ろ?」

「…」

「ンフフッ大丈夫、中入っても抱きしめてあげるけん」




あ。方言出た。


ちっとも離れない私に呆れずに、察してくれたのか


優しくあやす様に背中を撫でながらいってくれて


久々に聞いた方言に安心して


少しぶっきらぼうに




「…ん」




返事して少しだけ力を緩めて


でも、離れたくないから


抱きしめる代わりにねるの手を握ると



「ンフフッ」




普通に繋いでたのに、ねるは指を絡めて


恋人繋ぎに変えてきて


満足そうに笑って


リビングへ連れてってくれた


リビングのテーブルには開かれたままの台本とペンが置いてあって


それを見て少し冷静になった





「ごめん、、、仕事してたのに、」

「あー、パラパラみてただけやけん、気にせんで?」




嘘だ、

真面目なねるのことだから寝るギリギリまで確認してたんでしょ?




「ンフフッそんなことより、こっち来んね」




今更、自分のわがままに振り回してることに申し訳なくなって俯いてると
繋いでた手を引っ張られて
ねるの隣に座った






今更、迷惑かけてることに気づいて

なんだか、申し訳なくて

まだ繋いでくれてる手を見つめてると




「なんね、さっきの勢いはどうしたとー?」




ってニヤニヤ笑いながら

手を離してきたから


あ、


って思わず口に出ちゃって

恥ずかしいってまた俯くと



「ん!りーさ、おいで」




名前を呼ばれてねるのほうを見ると

両手を広げてて

顔はやっぱなんか、ニヤニヤしてて

ちょっとムカついたけど


やっぱりひっついてたくて、




「ん。」




ちょっと悔しいけど

ねるに抱きしめられてやった





「今日は甘えたさんったいねぇ、あっ、いつもか〜」

「ん。」

「ンフフッりっちゃん可愛かね〜ねるに会いたかったと?」

「ん。」

「可愛いかねぇ〜今日はいっぱい甘えていいけん」

「ん。」

「ンフフッほんと、理佐はねるのことが大好きったいね〜」

「ん。……大好き。」

「っ、ねるも大好き、///」

「ん。知ってる…///」

「ンフフッ耳真っ赤よ?」

「ん///」





甘いやり取りが


少しくすぐったいけど、


やっぱり、落ち着く。


出来れば、ずっと離れたくない。


だから、


誰かに取られちゃう前に、





「ねる、」

「ん?」

「私だけのねるでいて。」
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