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猫を飼い始めました





出会いは凄くベタだった



仕事が上手くいかずに澤部社長に怒鳴られたうえに



急に降ってきた雨でびしょ濡れ




今日は何もかも上手くいかないなぁ、と落ち込んでると




猫の鳴き声が聞こえた気がして




か細い鳴き声を辿ってくと




足を怪我して動けなくなった猫がいた




それと寒いのかプルプル震えてて、




どうにかしなきゃと思う前に体が動いてて




気づいたら猫を連れて家まで走っていた





まさか、その拾った猫が人獣だとは思わなかったけど。




まあ。朝起きて知らない女の子が居て驚いたのも

人獣ということで勝手に出ていこうとしたのも



今じゃいい思い出だ

















「ぐぇっ、」





色んな思い出が頭の中で再生されて


夢の世界と現実の狭間をふわふわとそれを楽しんでると





突然の重みに自分でも驚くくらい情けない声が出た



せっかくの休みだからもう少し堪能したかったけど、



諦めて目を開くと



嬉しそうにニコニコしててしっぽをくねらせてる



可愛い。頭を撫でると気持ちよさそうに目を細めて



自ら手に擦り寄ってきた



本当に可愛い。






「んにゃっ、」



「ふふっ、にゃっだって」



「急に引っ張られたからだもん。」



「可愛いから好きだけどね」



「玲ちゃん調子に乗るから嫌なの」



「調子に乗ったことないしー」



「夜になると無理やり言わせるじゃん」



「……朝ごはん作ってこよー」



「あ、逃げるなぁ」







昨晩の事を思い出して顔が熱くなる


からかわれる前に体を起こしてキッチンへと向かう


そんな私を追いかけて後ろからぎゅっと抱きついて







「玲、おはようのちゅーは?」



「…朝ごはん後でいいよね」



「ん?作りの面倒になっちゃった?」



「ううん、先に麗奈のこと食べたくなっちゃった」






顔真っ赤にして戸惑ううちの子を抱っこして



優しくベッドへ押し倒す



昨晩もしたし、なにより朝だし怒られるかなと思ったけど


うっとりした目で見つめられながら腕を首に回してきた







「麗奈、可愛い」



「ンッ…いっぱい可愛がってね、」









朝ごはん…食べれるかな、
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