いのかりん🦒🎐
井「ありがとう〜」
井上の周りに群がる女の子達がチョコを渡してて
井上は鼻の下を伸ばしてデレデレしながら
くれたお返しと言わんばかりに頭ポンポンしたりハグしたり
とにかく女の子にベタベタしてる
森「見てて辛くないの?」
ひかるはチラッとこっちを見てすぐ井上の方に目線を戻した
心配してくれてるんだろう
でも、そんな心配必要ない
藤「大丈夫」
わりと明るく言ったつもりがひかるには無理してるように聞こえたみたいで
眉を八の字にして
モテる彼氏を持つのは辛いなぁ
なんて頭を雑に撫でてくる
本当に心配せんでも大丈夫なのに
むしろ心配してる時間を返してあげてくらい無駄というか、
これは強がりとかじゃくて
藤「んー…言葉にするのってむずいな。」
森「?」
藤「まあ、見てたらわかると思う」
ひかるは頭にハテナを浮かべながら田村からもらったチョコを大事そうに食べてる
たしか、そろそろ来る頃かな
「藤吉さーん!!」
藤「ひかる、よく見とき」
森「?うん?」
ズシッと背中に柔らかい重みが乗る
いつもなら眉を寄せてやめてとできるだけ低い声で言うけど
今日はなにも言わずそのままにする
「今日は嫌がらないんですね!!」
藤「まあな、今日は特別」
それ期待していいってことですか?!
なんてギャーギャー騒いで抱きつく力を強くしてくる
はぁ。気持ち悪いなぁ。
この女の子は数ヶ月前に告白してくれて振ったにも関わらず
しつこく、しつこく、しつこくアピールをしてくる
ベタベタとくっついてきて
憂鬱で仕方ないけど、後のことを思えば我慢出来る
なんだコイツら…みたいな軽蔑するような目で見てくるひかるの後ろから
面白いぐらいムスッとした顔をした井上がすごい勢いでこっちに来て
ぎゅーっと抱きつく彼女を少し強引に俺から引き剥がした
ふふ。やっぱり来た
井上はわりと嫉妬深い
俺はあんまり人とベタベタするのを嫌がるタイプだからこそ
戯れる延長線上で頭を撫でたりとかしただけで
その日はしつこいくらい引っ付いたり求めてきたりするくらいだ
まあ、それを嫌って思うより
嬉しいって思ってしまう俺も相当なんだろうけど。
案の定、嫉妬して駆けつけてくれた井上に頬が緩みそうになるけど
我慢我慢…今日はベタベタしすぎや。ここで仕返しせな。
だから、
なに?
って冷たく言ってやろうと梨名を見上げたのに
藤「ンッ?!ふぅっ、んんっ、はぁっ、っ、」
井「っ、はぁ……こういうことだから、夏鈴のことは諦めて」
「は、はいっ、」
藤「何してんねん///」
井「なに?あの子気になってたん?」
藤「違っ、わざわざあんなことせんでも///」
井「足りんかった?」
藤「っ、あほっ///」
井「いてっ、俺は足らんねんけど」
藤「だぁぁー、もうっ!抱きつくな!変態!」
肩を強く押して抵抗するけど
嫉妬のせいか変にスイッチが入った井上は俺の腕をしっかり掴んで離してくれないし
片手で腰の当たりを撫でて、もう一度キスをしようと顔を近づけてくる
森「お楽しみのとこ申し訳ないんだけど、僕のこと見えてる?」
井「あ。ちっこくて見えんかった
カップルのイチャイチャの邪魔すんなよー」
藤「ちょ。ひかる、助けて」
ひかるに助けを求めたけど
ひかるはそんな俺を見てニッと笑って
森「ふふっ、井上、さっきのわざとだよ
ヤキモチ妬いた夏鈴の仕返し」
井「ふーん?やってくれるやん」
こいつ…!
キッと睨みつけると
楽しそうにケタケタ笑ってるし
くっそ…覚えとけよ。
藤「井上、落ち着け。
ここは学校だぞ」
井「んー、学校じゃなきゃいいってことね
ひかる、俺ら早退するから後よろしくー」
森「はいはい、上手くいっとくよ」
藤「ひかる、まじ覚えとけよ。」
森「えー?僕はいい事したつもりだけどー?」
藤「こいつ〜…」
井「なーにイチャイチャしてんの
そんなにお仕置されたい?」
藤「ちがっ、そういうことじゃなくて、!」
井「ふふっ、夏鈴はお仕置されるの好きやもんな…?
じゃ、俺ん家行こうな〜」
ーーーーー
田「ひぃくん2人早退したんやって?」
森「なんで知ってるの?」
田「噂で聞いてん、2人して早退って…
カップルで風邪でもひいたん?」
森「…まあ。風邪みたいなもんだよ、」
田「お見舞い行った方がいいよな?プリントとか渡さなかんし」
森「絶対行かない、大丈夫、色んな意味でアイツら元気だから」