多数のCP
今日はどこへ行こうか。
返ってこない質問を心で言う
今日は仕事が早く終わってしまった
そのせいで時間はたっぷりと余ってる
どこへ行こうか。
行きたいところはある
海、
昔よく行った公園、
1度だけ行ったことのある夜景スポット
でも1人で行く勇気はない
あの子との思い出が詰まってる所に
一人で行くなんて自殺行為みたいなものだ。
でも、行きたいと思えるのはそこだけで。
何度か別の子を連れて行った
ベンチに座ってただただ景色を眺めるだけ
いつもならパンクしてしまうくらい考え事をしてるのに
そこに居る時だけは何も考えずに居られた
でも、その帰り道なんとも言えない感情に押し殺されそうになる。
どこへ。
あれだけ慌ただしく過ぎていた時間が
1人になった途端に
意地悪なくらいゆっくりになる
ああ。どこに行こう。
このゆっくりと流れる時間が昔は好きだった
いつまでもこのまま続けばいいと思った
それは今でも変わらないけど
昔ほど好きになれないのは独りだと嫌でも感じてしまう
寂しいと、悲しいんだと、認めざるを得なくなる
認めたくなくて早く明日が来てしまえばいいと思う反面
仕事という気の紛らわせるものが無くなってしまったら
また、この時間が来てしまう
早く時が流れるのも、ゆっくりと流れるのも嫌なんて
我儘なやつだと我ながら思う
でも、この2つをどれだけ悩んでも答えが出ない
考えれば考えるほど疲れてしまって
いっその事どっちでもいいって諦めてしまった
「まだ19:00か、」
早くても6:00にしか出社は出来ない
てことは。まだまだ…嫌なくらい、時間がある
「さぁ…どこ行こうかな。」
何人かに送った『今夜空いてる?』に対して
いい反応をしてくれる子は今日に限って1人も居ない
下の方に表示されたメッセージが視界に入る
今日で3ヶ月か、
そのメッセージを間違えて開かないように気をつけながら
『気にしないで、また誘うね』と適当に返信をして
ポケットにスマホをしまったが、
また取り出して
ずっと避けていたメッセージを開いた
あれだけ返事をするのを怖がっていたくせに
あっさりと開いた自分に驚く
既読もつけてしまったんだ。
もう、どうにでもなれ。
「…あ、もしもし…あの、さ…海…行こ」