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森田村(ほのるん)








「来ちゃったや…」








もう忘れていたと思っていたのに



どうしても彼女を思い出してしまって




退院しても今まで仕事ばかりで他にやることもない私は




2人でよく来ていた公園へと車を走らせていた







適当に目に入った駐車場に停めて






公園までの道をゆっくりと歩く






告白したのもあの公園だったな、





初めて手を繋いだのも、





あ。あの駄菓子屋まだあるんだ
よく放課後に行って、
私ばっかり当たってよく彼女が拗ねていたっけ






本当に忘れようとしていたのかと疑うくらい





鮮明にあの頃のことを思い出して






想いが溢れてくる








4年も会ってない、




LINEで別れを告げられて以来音信不通




なのに、不思議だ。






胸が苦しくてたまらない。









「だいじょうぶ?」







公園のベンチに座っていると袖を引っ張られて



慌てて溢れそうになったものを拭って振り向くと



おめめくりくりの可愛らしい女の子が私を心配そうに見ている




だいたい3歳くらいかな、


こんな小さい子に心配されるくらい酷い顔してたのかな、











「大丈夫だよ、ありがとうね?」


「ほんと?にぃーしてないよ?」


「?にぃー?」







女の子は自分の口角を人差し指であげながら


可愛い笑顔でにぃーだよ!と言った




…なんだろ…この感じ、




なんでかその姿に既視感を感じながら



同じように自分の口角をあげると




これまた可愛い笑顔で







「んふふ、にぃー、おそろい」







なにこの子、めっちゃめっちゃ可愛いんだけど。


え。可愛い、




あまりの可愛さにフリーズしてると



遠くからすみませーん!と声が聞こえた











「あ、ままっ」



「嘘、」



「え……ひぃちゃん、」




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