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森田村(ほのるん)
















状況が上手く理解できなくて固まってると









「てんのままやで!」






無邪気な可愛らしい笑顔、



さっき感じた既視感はそのせいか。



ママってことは、結婚したのか、?



でも、気まずそうに俯く彼女の指に指輪はない



いや、普段つけてないだけかもしれない。









「…天ちゃん、帰るで、」


「えぇ…やだぁ、」







この状況に耐えれなかったのか彼女は
嫌がる女の子の手を握ってまた遊びに来よ?と宥めてる


でも女の子はヤダヤダと地団駄を踏んで
私の足にしがみついた


普段はこういうことをしないのか
彼女は小さな声で いつもは人見知りするのに、と言って
困った顔で ママのとこおいで、と両手を女の子に向ける









「やだぁ、あそぶのっ」


「こら、天ちゃん、」


「大丈夫だよ。天、ちゃん? 一緒に遊ぶ?」


「え、ちょ、」


「うんっ あそぶ!」







目を見開いて驚く彼女を置いて

はやくいこ!と嬉しそうに引っ張るってくる女の子にされるがまま


鬼ごっこや遊具で遊んだ


途中で彼女が怒ってしまわないか不安だったけど


チラッと見た彼女は嬉しそうに笑っていたけど


なんでか儚げに見えた


気のせいなら、いいんだけど。








「つぎはね おままごとしたい」





ん、と小さなお手手を私に向ける姿が可愛い



よいしょ、と女の子を持ち上げてブランコから出して



降ろそうとしゃがむとギュッと抱きつく力が強くなった




……可愛すぎる、




立って抱きしめ直すとニコニコ笑顔で彼女の方を指さした


おままごとのおもちゃを取りに行きたいらしい


彼女のとろまでダッシュで走ると腕の中で嬉しそうに笑ってる






「もっかい!もっかい!」






もう何この子…全てが可愛すぎる、


でも、流石に、








「もう一回はキツい、かな、」


「えぇ…もういっかい…」


「うっ、可愛い、じゃぁ1回だけなら、」


「ひぃちゃん甘やかさんでええから」


「あ。はい、」







少し低い声でそう言われて走ろうとするのをやめて
ゆっくり腕から降ろした


天ちゃんは不貞腐れたような顔してたけど
彼女からおもちゃが入ってるカバンを渡されると
どれにしようかなーと楽しそうにしていた


選び終わるまで待とうと、少し間を開けて座る
  






「天ちゃんいいこだね」


「…」







なにか返してくれると思っていたから少し気まずい。


もっとなんか、気の利いた事いわなきゃ、


でも出てくるのは



元気にしてた?


結婚したの…?


なんで連絡してくれなかったの、?



今の状況を悪化させるような言葉ばかりで



口を開いてしまえば間違えて言ってしまいそうで



何も言えなかった。








「ん!これにするっ」







元気な声が聞こえて



ほっと胸を撫で下ろして



天ちゃんの元へ行こうと立ち上がると



俯いたままの彼女に腕を掴まれた






「………にきいたん、?」



「へ?」



「松田ちゃんから…きいたん…?」








ようやく見えた彼女顔には


今にも溢れてしまうんじゃないかというくらい涙を浮かべていて下唇を噛んでる


まりなにすら久しく会っていない
連絡だって来ているけど既読すらつけずに無視している


でもここで知らないと言えばもう会えない気がした。








「うん…聞いた、」


「っ…やっぱり…」


「えっと……ちゃんと、話を聞きたい…」









ちゃんと辻褄が合う受け答えができているか不安だったけど


彼女は観念した様に頷いた



話って…どんなことだろう、









「ねぇ、まだぁ?」


「あ、ごめんごめん」


「いーよ、ままもいっしょに おままごと やるのっ」


「2人でやり?」


「やぁ いっしょ!ままは〜…ままね!」


「ふふ、はいはい」









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