土生家
仕事に行って欲しくない子供 vs パパ
土生家
土生「あれ、カバンがない…みいちゃーん」
美波「はーい、なに?」
土生「仕事のカバンが見当たらなくてさ、、」
美波「えぇ、いつもここに置いてるやん」
土生「そうなんだけど、」
いつも仕事用のカバンと上着ををソファーに置く土生パパ
ソファーには上着だけしかなくて
周りを見渡すもカバンがありません
土生「おっかしいなぁ…どこにやったんだろう、」
美波「カバン、あったで」
土生「ほんと!よかったぁ〜」
一緒に探してくれていたみいママの方へ行くと
リビングの隅っこで土生パパのカバンを抱えて蹲る梨名ちゃん
土生「可愛い…何してるんだろう、写真写真、」
美波「ふふ、拗ねてるんやろうなぁ」
土生「拗ねてるの?」
美波「多分やけどな?昨日帰り遅かったやろ?
梨名ちゃんパパと遊びたいって泣いてたんよ
帰ってくるまで待つって起きててんけど結局寝ちゃったし
パパにお仕事行って欲しくないんやない?」
土生「なにそれ…可愛い、!」
美波「ふふ、そんなこと言ってるとお仕事遅刻すんで」
土生「それは、まずい、
梨名〜?ねね、梨名ちゃん〜」
梨名「…」
土生「ふふ、梨名ぁ、パパのカバン知らない?」
梨名「……らなぃ…」
土生「ん?なんて?」
梨名「しらないっ、かばんなんて、しらんっ」
土生「じゃぁ、梨名ちゃんが持ってるのはなーに?」
梨名「……こ、これ、りなちゃんのやもん」
土生「ふふ、違うでしょ〜?
これパパのじゃん」
梨名「んん、ちがうのっ!りなのっ!」
土生「じゃぁ、そのカバンは梨名ちゃんにあげる」
梨名「ほんと?!」
土生「うん、だからパパはお仕事行くね?」
梨名「ぁぁあ〜!!だめぇっ!!」
さっきまで大事そうに抱えていたカバンを放り投げて
玄関へ向かう土生パパを慌てて追いかける梨名ちゃん
追いついて足にしがみつきます
梨名「やだぁ、」
土生「可愛い…でもね、お仕事行かないと、」
梨名「グスッ…いやぁ…ぱぱ、いっちゃ、…やぁだ、」
土生「梨名ちゃん…!」
泣き始めた梨名ちゃんを抱っこして
背中を撫でながら
行って欲しくないねぇ、
パパも皆と一緒に居たいよぉ
と、一生懸命慰める土生パパ
啜り泣く声が小さくなって
首に回っていた腕が緩んだので
落ち着いたかな、と顔を覗き込むと
梨名「グスッ…ぱぱ、
おしごと…いくなら、りなちゃんも いっしょに いく、」
お目目に涙をいっぱい溜めて
途切れ途切れになりながらも一生懸命話す梨名ちゃん
梨名「グスッ…りな、ちゃん…おしごとっ…するぅっ、
だから、いっしょぉヒグッ、なのっ」
土生「梨名ちゃん…」
美波「梨名ぁ、パパ困って「うん!一緒に行こっか!」
美波「は?」
土生「うんうん、一緒にお仕事しようねぇ
パパも梨名ちゃんと一緒がいいもんねぇ
上着持って会社行こうか!!」
有美「ぱぱっ、」
親ばかを爆発させてる土生パパに呆れるみいママを他所に
梨名ちゃんを抱えたまま上着を取りに行くと
今度は上着を人質にした有美子ちゃんが上目遣いで見つめてきます
土生「もう、可愛い!
よしっ、ゆみちゃんも一緒にいこうねっ!」
有美「んふふ、いくっ」
美波「親バカにも程があるやろ…」
ニッコニコ笑顔で2人を抱えて玄関で靴を履く土生パパを
みいママが止めて
子供2人と大きな子供1人に説得をして
皆でパパを会社まで見送る、に収まった様です
美波「ほら、行ってらっしゃい〜って」
梨名「ぱぱっ、、」
有美「ぱぱぁ…」
土生「はぁ〜っ、、行きたくないよぉぉ、」
美波「もう、瑞穂」
土生「はい、すみません、
パパ…お仕事頑張ってくるからね、すぐ帰るからね」
梨名「うん…」
有美「まってるね、」
ぎゅーっと抱きしめて
2人の頭を撫でてあげるも
2人はまだ落ち込んだ顔してパパから離れようとしません
美波「ほーら、ママのとこおいで?」
梨名「ん、」
有美「…」
美波「ふふ、嫌やなぁ
パパすぐ帰ってくれるってお約束したから大丈夫
パパ頑張れるようにおまじないしてあげ?」
土生「?おまじないって?」
有美「んふふ、おまじない!」
梨名「するー!ぱぱきて!!」
土生「なになに〜?」
しゃがんで目線を合わせる土生パパにニコニコ笑顔で
梨名「ちゅー!」
有美「ちゅぅ〜」
土生「?!」
美波「んふふ、可愛い」
梨名「これでぱぱ、がんばってな!」
有美「はやく、かえってきてね」
土生「もちろんだよ!!すぐ帰るからね!!」
元気もりもりになった土生パパと子供たち
会社に入っていく土生パパを見送り
車に子供たちを乗せていると
土生「みいちゃん!」
美波「あ、どうしたん?忘れ物?」
土生「うん、忘れ物」
美波「もう〜なにをわすれ、ンッ、ちょっ///」
土生「んふふ、じゃぁ、行くね
運転、気をつけてね」
美波「ん、はよ帰ってきてな///」
土生「任せて!」
土生「おっはよ〜!!」
渡邉「朝から顔凄いよ」
土生「んふふふふ」
志田「見送り羨ましいなぁ」
織田「うちは絶対有り得んだろうなぁ」
土生「めっちゃめっちゃ可愛いかったぁ
早く帰るって約束したからすぐ終わらす!」
小林「はぁ、独り身にはこたえるから早く終わらせて帰りな」
守屋「まあまあ、由依だって」
小林「おい」
守屋「あ、ごめん」
織田「なになに」
志田「これは何かあるな、」
渡邉「織田、愛佳」
織田志田「よっしゃ」
小林「おい!離せよ!」
守屋「仕事しろよ、」
小林「土生ちゃん!仕事手伝うから助けて!!」
土生「言ったね?」
小林「言った言った!!」
土生「はーい、2人とも由依を離してー」
こうして朝から騒がしい仲間たちのおかげで
早くお家に帰れた土生パパでした