土生家
用意していたリュックを背負わせて
帽子を被らせて、
今日のために手作りしたお守りもしっかり持たせて
頑なにおもちゃを持ってくんだ!
と言う梨名を何度も説得して
梨名はお気に入りのキリンさん、
有美ちゃんにはネコさんで勘弁してもらった
美「よし。ママとのお約束覚えてる?」
有「しらないひとに ついていかない」
梨「しらんおとな きたら、ぴーぴーなす!」
美「うんうん、パパのところ着いたらなんて言うのかな?」
有「はぶみじゅほ!」
梨「おねがいちます!」
瑞穂の会社は私も働いていた職場で
今回の件も知ってるし協力をしてくれるから
パパでも伝わると思うんやけど、
2人はどうしても土生瑞穂と言いたいらしい。
言えてへんけど、
それを言ったら2人とも拗ねちゃうで言わんとく
不安なことばかりが頭に浮かんで顔が強ばっていたのか
2人がぎゅーっと抱きしめてくれた
有「すぐかえってくるからね、まま まっててね」
梨「ぱぱとこおわったら、ままの おたちけするな!」
涙が出そうになるのをグッと抑えて
想いが伝わるように力を込めて2人を抱きしめ返すと
苦しいよ〜と楽しそうに笑ってくれた
美「…よしっ、じゃぁ…気をつけて行ってくるんやで、?」
有「うんっ ぱぱ おたすけしてくるっ」
梨「わるものからたちけてくるー!」
美「ふふっ、パパによろしくなぁ」
有梨「うんっ いってきまぁす」
美「はーい、行ってらっしゃい、
車には気をつけるんよー!」
有梨「はあい」
玄関が閉まって
庭に急いで出てこっそりと2人が見えなくなるまで見守る
本当に大丈夫だろうか。
ポケットからスマホを取り出して
きっと私以上にハラハラしてるであろう人に電話をかける
美「あ、もしもし?2人今出たで」