文化祭
土「君……梨名のなに……」
天「えっ、あのっ、」
この子…すんごい美形…男の子…?
なんか…見覚えがあるような…
でも、梨名と同い年位の男の子なんて知り合いに居ない、
すっごい怯えた顔してるな、
梨名はこんなヘタレな子がいいのか??
いや、良くない良くない
はい、恋人ですって堂々と言える子じゃないとパパは許さないんだから!!
いや、それはそれでショックなんだけど、
いやでも!
威嚇するように睨んでると
夏「梨名…この人…誰…どういう関係?」
男の子の後ろから
カメラを持ったこれまた美形の背の高い女の子が
こちらを睨むような感じで尋ねてきた
不審者だとでも思われたのだろうか
それりゃ、女子高生に急に抱きつくなんて不審者と思われても仕方ないか、
女の子の言葉で少し冷静を取り戻して
梨名の父ですって言おうとしたら
梨名が慌てたように
私の腕の中ではよ、離せやと言わんばかりに暴れる
梨「あのっ!ちゃ、ちゃうで!パパやから!」
我が子の必死な様子に少し驚きと違和感を感じた、、、
夏「え、嘘…めっちゃ綺麗な人じゃん、」
梨「ほんま、顔だけやから、
てか、はよ離してや!恥ずいて!!」
なんだ…この2人の空気感は…
2人のやり取りになんだかモヤモヤしたけど
これ以上ひっつくと嫌いって言われかねないので、
大人しく離れる
美「もう、何してんねん、撮影の邪魔したらあかんやろ?」
土「あ、みいちゃん」
追いかけてきたみいちゃんに可愛いすぎるお説教をされて
怒られてるのに
思わず頬が緩んでしまう
土「ごめんなさーい
てっきりうちの子が襲われてる!って早とちりしちゃって…
まさか、クラスの出し物だと思わなくてさぁ〜」
美「早とちりにも程があるで?
ほら、ウィッグ被ってて気づかんかったかもしれんけど
よく見ぃ?」
土「んん〜〜〜?」
天「あはは…私、天です、」
土「え?!うっそ、、、ゆっかねんのとこの?!
えー!あ、ほんとだァ〜天ちゃんだ〜!
イケメン過ぎて気づかなかったよ〜!」
美「ほら〜、ごめんな天ちゃん」
天「土生さんに初めて睨まれたから
すっごい怖かったよ〜w」
土「ほんっっと、ごめんね?」
天「いいけど、アイス奢ってよね〜」
いいよ!いくらでも買ってあげるー!って天ちゃんと喋ってると
美「あ、夏鈴ちゃんやんか〜
最近うち来へんけど、忙しいん?」
その声に梨名と夏鈴ちゃんと呼ばれた女の子が
分かりやすいくらいにビクッって反応した
土「へぇ……夏鈴ちゃんって言うんだ…」
梨「そ、そうやねん!
クラスが同じ子でなー!出席番号は18番でな!
身長は、165cmくらいで!あとはな!」
テンパって早口でよく分からないことを言う梨名を見て確信した。
きっと2人は付き合ってる。
ここは、黙って応援するべきなんだろう…
でも、認めたくない自分もいて、
それにみいちゃんがああ言うってことは良く家に遊びに来ていたんだろう
でも私は夏鈴ちゃんに会ったことも、
来ていたことも知らなかった
娘に隠し事をされていたことが何より悲しかった
言ってくれればよかったのに。って、
まあ、言いにくいのも分かるけどさ…
美「ンフフッ瑞穂、顔が怖くなったり悲しそうにしたり怒ったりで忙しそうやなぁ」
背中を摩って上目遣いで笑いかけるみいちゃんの
優しいさに安心して
今まで頭の中でぐちゃぐちゃしてた思考が全部吹き飛ぶ
めんどくさいこと考えてたってなにも変わらない
自慢の娘が選んだ子だ。信じよう。
土「みいちゃん…ありがとう」
美「ンフフッええよ」
梨名を見ると
気まずそうに俯いてるけど
夏鈴ちゃんの制服の袖をギュッと掴んでる
夏「あのっ…言うのが遅れてしまい、すみません。
梨名と付き合ってます。
本気です、だから、そのっ」
所々で吃ったり、声が小さくなったりするけど
私を真っ直ぐ見て一生懸命話してくれた
きっと普段はこういうこと言うタイプじゃないんだろうなぁ
梨名が顔を真っ赤にして夏鈴ちゃんを見てる
土「ふふっ、反対なんかしないから安心して?」
夏「えっ、」
土「むしろ応援するよ」
夏「ありがとうございます…!」
土「でも、梨名を泣かすようなことがあれば、
話は別だからね…?」
夏「っ、は、はいっ」
土「ふふっ、じゃ夏鈴ちゃんLINE交換しよ〜」
夏「あ、はい!」
梨「え、ちょ、LINEなんか交換せんでええから」
夏「いや、でも、」
土「えー、梨名はケチだなぁ
別に変なこと送ったりしないのに〜」
梨「いや、するやろ!」
土「え〜ちっちゃい頃の梨名の写真とか送ったりしたかったのにー!」
夏「交換しましょ、今すぐにでも」
土「いいねぇ、しよしよ〜」
梨「絶対嫌や!ママ助けて!2人を止めて!」
美「え〜、そんなん言われてもママは夏鈴ちゃんのLINEすでに持ってるしなぁ」
梨「え。いつの間に、」
夏「あ、このアカウントですか?」
土「そうそう、じゃ手始めにお気に入りの写真送るね〜」
夏「ありがとうございます!」
美「なら、夏鈴ちゃんとウチらのグループ作ろ〜」
梨「味方がおらへん、、、
お願いやから、変な顔してるやつとかやめて!!」
土「梨名はどんな時もとびっきり可愛いから大丈夫だよ!」
美「そうやで〜?これなんて寝ながらご飯食べてんねん
可愛ええやろ〜?」
夏「あはは、顔ご飯まみれだw」
梨「はぁぁぁ…終わったァァァ…」
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土田「なーんだよ、アイツら付き合ってんのかよ
天ちゃんと夏鈴ちゃんの配役逆にしてやろ」
澤部「いいっすねぇw」
土田「ぜってぇクラスで2人のこといじってやろw」
澤部「いいなー!俺も土田さんとこのクラスの授業してぇなぁ!」
土田「うちのクラス、渡邉と守屋の娘もいるからw」
澤部「うわぁぁ!勢揃い
虹彦先生とかわってもらいますわw」
後日本当に、やや無理やりに虹彦先生とクラスの担当を交換してもらった澤部先生がいたとかいないとか、