土生家
美「え?!出張?!」
土「うん…2ヶ月くらい、なんだけど、」
美「2ヶ…月…」
申し訳なさそうな顔で強くギュッと抱きしめてくれたけど
これからの事を思うと不安で、
いつもなら安心するのに。
今はただ、、、行かないでって心で言いながら
しがみつくしかことしか出来ない。
だって、口に出したら、困らせてしまうって分かってるから。
そう。困らせてしまう。
いつまでも甘えてられない、
うちやって母親なんやから、
美「…大丈夫、頑張ってきいや、?」
土「美波…」
美「ンフフッそんな顔…せんとって、決心が揺らいでしまうやろ、」
土「ごめん…」
涙を溜めて、泣かないように我慢してるのが可愛いくて
優しく頬を撫でると、さっきよりも強く抱きしめてくれた
不安なのはきっと瑞穂も一緒、
美「一生会えへんわけちゃうんやし、」
土「うん。でも、2ヶ月は…長いよ、」
美「せやね。」
土「ごめんね。早く、帰ってくるようにするから、」
美「うん。待ってるで、?」
土「うん、毎日連絡するし、電話もするよ、写真だっていっぱい送る!」
美「いや、仕事のこともあるんやし、そんな無理しやんでも、」
土「ううん、私がしたいの」
美「ンフフッなら、うちもいっぱい連絡するな?」
土「ふふ、写真もお願いね」
美「ンフフッ任せてや」
そんなやり取りをしたのが数日前
あっという間に出張に言ってしまう日に。
前日は瑞穂の好物を沢山作って、沢山話して、で、
美「ンフフッ口あいてる、」
土「ん…?んん、」
美「あ、、、ごめんなぁ寝てええよ?まだ2時やし」
土「ふぁぁっ…ううん、みいちゃん早起きさんだね、」
美「んー、少しでも瑞穂と一緒にいる時間を感じてたくて
なんか、目が覚めてしまったんよ」
土「っ、可愛いすぎ、裸でそんなこと言われたら。」
美「ひゃっ、」
土「また止まらなくなっちゃうじゃん」
美「んんっ、あほ、、さっきしたばっかやん、かぁ、」
土「美波が悪い。ほら、名前呼んでよ、」
美「ぁんっ、、はぁっ、瑞穂っ、、、」
土「ふふ、かわい。」
それなりに、
いや。だいぶ。
夫婦の時間を楽しんで、(その代わり腰の痛み半端ないねんけど)
いつも通りに朝ごはんを用意して食べて、
起きたばかりの梨名を瑞穂に見てもらって
慣れた手つきで片付けを済ます
土「梨名ぁ、パパ2ヶ月会えないんだよ?寂しい?寂しいねぇ?」
梨「ふぁぁぁっ…」
土「そっかそっかぁ、そんなに寂しいのねぇぇ、」
背中をトントン撫でながら体を揺らして
まだ1歳の我が子に一生懸命話してる
いや、絶対そう言ってへんし
てか、今にも寝そうやん聞いてへんのちゃう?
頭でそう突っ込むけど
そんな一方通行なやり取りが可愛くて片付けをしながら見ていた
美「よし、終わったぁ」
土「お疲れ様、ありがとうね」
美「これくらい当たり前やし気にせんで」
土「いつもそれ言うけどさ〜」
当たり前のことしてるって凄いことなんだからね!
もっとみいちゃんは甘えていいんだから!
ってグチグチ言い始めた
いつもなら、はいはいありがとーって適当に流すんやけど、
美「ん。じゃ甘える」
土「え、」
美「なに、ぎゅーしてくれへんの?」
土「っ、可愛いなぁ、もう、///」
美「ンフフッ土生ちゃんが珍しく照れてる」
土「照れてなんかないし」
美「ンフフッはいはい」
梨名を抱っこしてるから
梨名を2人でぎゅーってしてるみたいになって
さっきまで眠そうだった梨名も
ニコニコと嬉しそうにしてた
土「ふふ、二人とも可愛い」
梨「キャッキャッ」
幸せな過ぎて、
これからしばらく会えないなんて。考えられへん。
いかんでよ。置いてかんで、
土「…よしよし、すぐ帰ってくるから、」
美「ん…」
どれだけ願っても時間というのは
過ぎていくもので、
いよいよ、送り出さないかん時間が来てしまった。
ほんまは空港まで行きたいけど
梨名も小さいし、
何より梨名乗せて1人で運転させたくないって言われてしまった
まあ、うちも運転は不安やったし、
土「そろそろ、出ないとね。」
美「…」
土「梨名ぁ〜すぐ帰ってくるからパパの顔忘れちゃだめだよー?」
梨「キャッキャッ」
土「ふふ、可愛いねぇ〜愛してるよ梨名ぁ」チュッ
梨「ん、キャッキャッ」
土「可愛いぃ〜よし、ママのとこ行こうね」
美「おいで、梨名ちゃん」
土「ふぅ…ふふ、そんな顔しないで」
笑顔で送り出そうと思ってたのに
やっぱり我慢出来んくなっちゃって、
美「ヒグッ…浮気、したら…グスッ…いて、こます。」
土「ふふ、する訳ないでしょ
こんなに可愛いくて愛おしいすぎる奥さん居るのに」
美「うぅっ、みずっ…うちも、愛してるっ」
土「あはは、可愛いなぁ〜
私も美波に負けないくらい愛してるからね」
一生の別れじゃないって分かってても
やっぱり2ヶ月会えへんのは辛いし、
きっと瑞穂のことやから
食事とか自分のこと後回しにして仕事するのは目に見えてるし
あっちでもモテるやろうし、
色んな不安で押しつぶされそうになるけど
いつまでも、グズグズしてられへん。
美「ん…2ヶ月、頑張ってきいや」
土「美波、」
美「ンフフッまたその顔してる
寂しいけど頑張ってきて欲しいし
うちやって梨名のことしっかり守って待っとるから
はよ帰ってこんと瑞穂のこと思い出せんくらい楽しくすごしたるからなぁ〜!」
土「え〜wなら、早く帰らなきゃだなぁ〜」
美「ンフフッ待ってんで」
土「うん。待ってて」
チュッ
どちらともなくキスをして、
おでこをくっつけて、見つめ合う
土「愛してるよ」
美「うちも、愛してる」
そして、名残惜しそうに瑞穂が離れて、
土「…行ってきます!」
美「行ってらっしゃい!頑張ってきいや!」
土「二人とも愛してるよ〜!!」
美「あほっ、ご近所さんに聞こえるやろ///」
土「えへへ、いってきまーす!」
美「梨名ちゃんパパタクシー乗ったね、」
梨「ぶぅー?」
美「せやで、ぶーぶ」
梨「キャッキャッぶぅー」
美「ンフフッ梨名ちゃん天才やなぁ
あー…タクシーまで見えなくなってしまった、中入ろっか、」
今日から2ヶ月、
不安なことばかりやけど
心配かけへんようにしっかりせな。
その頃、
土「ぁぁぁ、みいちゃんんんん、、、」
タクシー運転手さんもビックリするぐらい凹む土生さんが居たとかいないとか、、、