壱頁完結物
「太宰さん?」
「あっ、妹ちゃん!」
芥川を探しに来た末妹が何時もと装いの違う太宰に確信が持てず疑問系で話し掛ける。
「如何したのその格好」
「一寸楽器をしていてね。変かな?」
変、と一蹴される覚悟で問うてみる。
「うーん…見慣れないけど、格好良いと思うよ」
「…え?」
*****
「ほ、本当に云ってる…?」
「嘘じゃないよ?似合ってると思う」
「そっ、か…」
太宰は襟巻の裾を持ち上げて口許を隠すが隠し切れない耳が赤い。
「あっ鏡花ちゃん!」
すると急に末妹が目を輝かせた。
「来てたの?」
「龍兄を探してたんだけど、その服可愛いね!」
熱量の違いに放心する太宰。
*****
「鏡花ちゃんも楽器やってるの?」
「うん。見る?」
「良いの!?見たい!」
「あの人も向こうに居るから」
腕を絡めて歩き出す二人に肩を落とす太宰の前にスッと手が出てきた。
「太宰さんの楽器も見せて!」
「妹ちゃん…!」
差し出された手をゆっくりと握って三人は歩き出した。
*****
練習が終わり面々と話す末妹を眺める太宰。
「芥川君」
「何でしょう」
「妹ちゃん、結構私に懐いてくれてると思うんだよね」
「…初期の頃に比べれば見違える程です」
「何時になったら私が一番になってくれるのかなあ」
「太宰さん…」
「妹はまだやりませぬ」
「ケチー」
.
「あっ、妹ちゃん!」
芥川を探しに来た末妹が何時もと装いの違う太宰に確信が持てず疑問系で話し掛ける。
「如何したのその格好」
「一寸楽器をしていてね。変かな?」
変、と一蹴される覚悟で問うてみる。
「うーん…見慣れないけど、格好良いと思うよ」
「…え?」
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「ほ、本当に云ってる…?」
「嘘じゃないよ?似合ってると思う」
「そっ、か…」
太宰は襟巻の裾を持ち上げて口許を隠すが隠し切れない耳が赤い。
「あっ鏡花ちゃん!」
すると急に末妹が目を輝かせた。
「来てたの?」
「龍兄を探してたんだけど、その服可愛いね!」
熱量の違いに放心する太宰。
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「鏡花ちゃんも楽器やってるの?」
「うん。見る?」
「良いの!?見たい!」
「あの人も向こうに居るから」
腕を絡めて歩き出す二人に肩を落とす太宰の前にスッと手が出てきた。
「太宰さんの楽器も見せて!」
「妹ちゃん…!」
差し出された手をゆっくりと握って三人は歩き出した。
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練習が終わり面々と話す末妹を眺める太宰。
「芥川君」
「何でしょう」
「妹ちゃん、結構私に懐いてくれてると思うんだよね」
「…初期の頃に比べれば見違える程です」
「何時になったら私が一番になってくれるのかなあ」
「太宰さん…」
「妹はまだやりませぬ」
「ケチー」
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