壱頁完結物
「とりさんかわいー!」
娘が動物番組を見ている。
珍しい動物の生態に迫っているらしい。
『雄は雌に求愛し、番になった二羽は…』
「ねぇぱぱー」
「ん?」
「ぱぱもままにきゅーあいしたの?」
我が娘ながら本当にマセた奴だと思う。
「してねぇ…事もねえ」
「どっち!?」
「し、して…」
*****
「あら、パパの求愛は熱烈だったわよ?」
何とか誤魔化そうとしていた俺の努力は一瞬で水泡に帰した。
「あんなかんじ?」
画面には翼を広げバタバタと走り回る滑稽な様子が映し出されている。
「そうそう、あんな感じよ」
「手前適当云うんじゃねえよ!!」
『そして夫婦は卵を産み育てます』
*****
「たまご…」
「残念だがお前は卵から還った訳じゃねえぞ」
「たまごじゃなかったらどこからうまれるの?」
「ママのお腹の中よ」
「ま、ままのおなかつきやぶってくるの…?」
子供って偶に恐ろしい事考えるよな。
「ままのおなかからでてくるのかー」
「一つ賢くなったわね」
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