壱頁完結物
「ねぇまま、ぱぱのずぼんどうしておひざやぶけてるの?」
「ぅふっ…」
「変な嗤い声出すんじゃねえよ」
「いや、嗤うでしょ」
「ねえなんでー?」
三歳にはダメージジーンズの良さが判らないらしい。
珈琲を傾ける中也は妻が変な事を吹き込まないか心配の様子。
「パパの膝が破れてるのはね」
*****
「太宰と喧嘩するからよ」
「そうなの!?」
「…手前、適当云うんじゃねえよ」
危うく吹き出しかけた珈琲を何とか押し込み咳き込む中也。
「ぱぱ!」
「何だ」
自分の元へ走り寄る娘を抱き上げると冗談を真に受けたのか怒っていた。
「またあおしゃばしゃんとけんかしてるの?」
*****
「してはいるが其れと此れとは関係…」
「いいわけしないの!」
「…えぇ」
内心妻に似てきたな…と思いつつ怒りが収まらない娘を何とかあやす。
「きょうはいっしょにいく!」
「は?」
「ぱぱがけんかしないかかんしするの!」
「また余計な言葉教えたろ」
「余計じゃないわよ」
*****
「判った。パパもう太宰と喧嘩しねえから」
「…ぜったい?」
「嗚呼、絶対だ」
「やくそくね!」
「約束する」
額を合わせると漸く娘は落ち着いたらしい。
「けんかしたらめっするからね!」
「…判ったよ。んじゃ行って来る」
「めっ、されたいとか思ったでしょ」
「心を読むな心を」
.
「ぅふっ…」
「変な嗤い声出すんじゃねえよ」
「いや、嗤うでしょ」
「ねえなんでー?」
三歳にはダメージジーンズの良さが判らないらしい。
珈琲を傾ける中也は妻が変な事を吹き込まないか心配の様子。
「パパの膝が破れてるのはね」
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「太宰と喧嘩するからよ」
「そうなの!?」
「…手前、適当云うんじゃねえよ」
危うく吹き出しかけた珈琲を何とか押し込み咳き込む中也。
「ぱぱ!」
「何だ」
自分の元へ走り寄る娘を抱き上げると冗談を真に受けたのか怒っていた。
「またあおしゃばしゃんとけんかしてるの?」
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「してはいるが其れと此れとは関係…」
「いいわけしないの!」
「…えぇ」
内心妻に似てきたな…と思いつつ怒りが収まらない娘を何とかあやす。
「きょうはいっしょにいく!」
「は?」
「ぱぱがけんかしないかかんしするの!」
「また余計な言葉教えたろ」
「余計じゃないわよ」
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「判った。パパもう太宰と喧嘩しねえから」
「…ぜったい?」
「嗚呼、絶対だ」
「やくそくね!」
「約束する」
額を合わせると漸く娘は落ち着いたらしい。
「けんかしたらめっするからね!」
「…判ったよ。んじゃ行って来る」
「めっ、されたいとか思ったでしょ」
「心を読むな心を」
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