狂った女の丸出し日記

イルミネーション

2023/11/28 00:07
えんだん絶叫系
気が早いことに、街がクリスマス仕様になりつつある。ロマンチックな気分にさせて、早いうちにクリスマスケーキの予約やプレゼントの購買意欲を促す為だろうか。電飾されるのが年々早くなってきている気がする。

私は光物が大好物な俗世に染まった人間なので、例に漏れずイルミネーションが好きでイルミネーションに騙されるタイプだが、恋人がおらず社畜として繁忙期を迎えていた時は全く楽しめなかった。街がロマンチックであればあるほど虚しかった。
疲れきっている上に空腹の帰宅中に見るイルミネーションは疲れ目に眩しくてぼやっとかすみ、激しく荒んだ気持ちで駅までの道のりを競歩のように足早に歩いたものだ。クリスマス?ただの平日だろ!こっちは仕事だよクソが!と、この世のハッピーを呪いながら連日閉店間近の商業施設に駆け込み、少ないボーナスでクリスマスコフレと欲しいと思った服を片っ端から買い、出社するモチベーションを必死で上げていた。その甲斐あって計らずも身なりは人生で一番しっかりしていたと思う。ただし目と心は死んでいた。

勝手なもので、彼氏がいるとなると一緒に見るイルミネーションはキラキラと輝いて、彼氏が三割増しくらいかっこよく見えたものだ。クリスマス最高!とデートも大変盛り上がり、この世の生きとし生けるもの全てハッピーであれと願ったほどだ。

まだ大学生の時、進学せずに就職した同い年の彼氏と迎えたクリスマスのこと。少し前からクリスマスプレゼントにさりげなくコーエーの新作ゲームソフトをおねだりしていたのに、貰ったものがティファニーのオープンハートでとんでもなくがっかりしたというエピソードがある。さすがに「三國無双は?」などと言えず、当たり前だがちゃんと喜んでお礼を言った。だがしかし、その場で付けてもらうも、私は首が太くて短いのでネックレスがチョーカーのようになり、その瞬間から私のハートはクローズした。

それを地元の気のおけない友人たちと飲んでいる時に話したところ、かなり賛否が分かれた。品が何であれ、自分があげたい物ではなく彼女が欲しい物をあげるべきだ派と、いくら欲しがってたってクリスマスに三國無双はねぇだろ父親から息子へのプレゼントじゃねぇんだぞ派だ。
どちらの意見も正しいが、ティファニーに不釣り合いな丸太のような首をしている私が悪い。これが全てだろう。

そんな感じでイルミネーションの時期の思い出は苦いものから甘いものまで大なり小なり色々あるが、今年はなんといっても陽太郎がいる。去年もいたはずだが、私は一体何をしていたのだろうか。全く思い出せない。また前置きが長くなってしまったが、クリスマスイルミネーションデートの本番(妄想)はここからなのでよろしくどうぞ。



きらびやかに装飾された大きなクリスマスツリーの前で夕方頃待ち合わせをし、少し早めに着いたと思ったら陽太郎はもうすでにいた。長い脚に濃紺のデニム、高身長にロングコートが大変よく似合っており、いつもよりだいぶ大人っぽく見える。ここにいる誰よりも爆イケで本当に困る。
小走りで近付くと私に気付いてめちゃくちゃ嬉しそうにほほ笑んで、その笑顔がいつもと変わらず余計ときめく。「楽しみすぎて早く着きすぎちゃいました。いつもと雰囲気が違うから、なんだか緊張しちゃうな。」とはにかみ出して、待ち合わせからきゅん殺されそうになる。

とりあえずクリスマスツリーをバックに並んでスマホで写真撮影をし、まずはご飯を食べようと手を繋いでお店に向かった。本当に緊張してるのか、手が少し汗ばんでいる。
着いたのは陽太郎が予約してくれたというイタリアンバル。そこまで気取っていなく、でもお洒落をした甲斐も感じる雰囲気のいい店だった。
コートを脱いだ陽太郎はアイボリーのニット一枚になり、席に座ると腕まくりをする。いきなり出てきたメインディッシュに密かに上がっていると、店員さんが飲み物のオーダーを取りに来たのでワインを頼んだ。

君の瞳に乾杯した後、楽しくおしゃべりしながらコース料理をワインと共に美味しく頂き、途中でワインがキツくなってきたので陽太郎に飲んでもらい、自分はソフトドリンクに切り替える。締めのデザートまでペロリと完食し、幸せいっぱい腹いっぱいのほろ酔いでお店を出た。

寒っ!と言いながら陽太郎の腕に自分の腕を絡ませて、身を寄せ合ってイルミネーションを見て歩き、いい感じの場所で写真を撮ることに。うまく撮れたか顔を寄せて確認し、スマホをしまって陽太郎を見上げると、イルミネーションをバックに見上げる陽太郎がやっぱり爆イケで、陽太郎の瞳に映ったイルミネーションが綺麗すぎる。つい見惚れていると、陽太郎が「やっぱり綺麗だな…」と呟いて、私の横面を手で包んで頬を親指で撫でた。

熱く見つめ合いながら、今にもキスしそうだししたいけどここは外。公共の場でそれはさすがにと思っていると、「ゆっくりできて、あったかい場所に移動しましょうか。それとももう帰る?」頬を指で撫でながら聞いてくる陽太郎。当然ながら帰らないと返事をし、これもきっと予約していたであろうあったかい場所にお互い無言で移動して、ドアを閉めた瞬間からこれでもかとあたため合い、脱ぎ散らかして致した後、ベッドの上にて互いに用意したプレゼントを交換する。ひとしきり喜び合ってからもう一発キメて、朝まで陽太郎の腕の中で過ごし、性夜の名に恥じないデートとなった。

そんな気が早すぎるクリスマスの妄想をし、年末にかけてこれから忙しくなるであろう日々をなんとか乗り切りたいと思う。そして絶対に毎日遅くとも0時までには寝たい。

コメント

[ ログインして送信 ]

名前
コメント内容
削除用パスワード ※空欄可
  • スベル (非ログイン)2023/11/28 19:21

    私もティファニーの特にオープンハートには思うところありまして…人によっては贅沢だ感謝の心が無いと叱られそうな話なので、またチャットでネタに困った時にでも聞いて下さい💬

    ってクリスマス陽太郎〜😭ワイン🍷🎄🎂🏨
    日記に一本話が書かれてるって番外編どころか場外〜!
    日記、毎回チェックしてて良かった…🫠

    名前
    コメント内容
    削除用パスワード ※空欄可
    • メイコ2023/11/28 22:22

      ふむふむ、「わかる〜!」の匂いがします。是非お聞かせ願いたいです!全然関係ないんですけど、前回お嬢の爆音ピアノをバックに会話をしたことが後からじわじわきて、思い出しては笑っています。
      毎回チェックして下さってるなんて…ありがとうございます!(泣)もっとしっかり夢小説風に書けばよかった…
      陽太郎はマルゲリータの伸びるチーズに苦戦している姿が、ワインが進んでしまうほどイッツソーキュートだと思うのですが如何でしょう?

      名前
      コメント内容
      削除用パスワード ※空欄可
    • スベル (非ログイン)2023/12/02 13:29

      焦焦してる陽太郎、いいですね。絶対かわいい…
      お嬢は私と2人の時もピアノを弾いていたので
      モクリ中はイラスト描くかピアノ弾くかなのかも知れませんね。
      聞こえねーよ!のめいさんがウケましたwww

      名前
      コメント内容
      削除用パスワード ※空欄可
    • メイコ2023/12/03 23:57

      絶対かわいいですよね…顎にも付いちゃってまったくもう…ねぇ?

      まさに作業BGMですね!お嬢のピアノの音すごい綺麗で好きなんですけど、あの時ばかりはツッコんでしまいましたね。「あっごめんなさい!」がとても可愛かったので、また爆音で聴かせて欲しいです。

      名前
      コメント内容
      削除用パスワード ※空欄可