何を隠そう私は虎ファンだ。38年ぶりの優勝に、六甲おろしを歌いながら喜んだ。
阪神ファンといっても、巨人戦でドームに向かう道中ジャビットを引き摺って歩く類の過激なファンではない。阪神がたまにやらかす草野球レベルのエラーや珍プレーが好き、という程度のライトなファンだ。一時期熱心に阪神の試合を追っていたこともあったが、いつかのシーズンであまりに情けなく負けすぎて、ガチ勢と同様の野次を飛ばしそうになったので距離を保つことにした。

ちなみに親方は巨人ファンなので、野球観戦はドームで巨人戦と決まっている。座席も勿論巨人側だ。複雑な心境ではあるが、スポーツマンシップに則って巨人の選手がプロデュースした弁当をもりもり食べながら、巨人の選手名が刺繍されたオレンジのタオルを首に掛けてしっかり巨人の応援をするし、試合に勝利したら菅野のタオルを掲げ、闘魂こめてを巨人ファンたちと共に歌う。しかし親方は歌わない。
何故歌わないんだ、お前はそれでも巨人ファンか？と責めたところ、闘魂こめてをそらで歌えないという衝撃の返事が返ってきた。甲子園からドラフト会議を追うほど野球をこよなく愛していているのに、そこは押さえないらしい。小林誠司のタオルが泣いてるぞ。

いつも指定SかÀなので、一度でいいからエキサイティングな試合を、エキサイトシートかバックネット裏で観戦してみたい。できれば阪神戦をビジター側で。

陽太郎はセ・リーグならヤクルト、パ・リーグなら西武ライオンズといったところだろうか。虎は間違いなく阪神一択だろう。現地での観戦の際、陽太郎はビールを飲みながら詳しく解説してくれるし、お手洗いに席を立った帰りには好意で必ず何か食べ物を買ってから戻ってくる。虎は弁当を積み上げながら褒めたりダメ出しをしたり、時に荒ぶりながら観戦をする。そんな様子が目に浮かぶ。