陽太郎のモーニングルーティーンの中に、寝癖をさっと整えるとあった。あの癖毛は寝癖も込みだと思っていたが、身だしなみに気を遣う陽太郎のことだから、あの外はねは確かにただの癖毛でしかないと考えるのが妥当だ。
では一体どんな寝癖を付けているのだろうか。寝癖界隈で有名なのは池中玄太だ。寝癖界のレジェンドとしてその名を残している。しかしあそこまでいくとさっと整えるくらいでは整わないだろう。デーモン閣下のように全て逆立っている例もある。かわいらしいことこの上ないが、頭から水をぶっかけないと整わないし、むしろその逆立った状態が完成形として整っている。
陽太郎がどんな寝癖を付けているのか気になりすぎて、『男性　寝癖』で検索を掛けたところ、世の男性たちの現代アートのような寝癖画像が山ほど出てきた。例に出したお二方まではいかなくとも、ほとんどがさっと整えてなんとかなる代物ではかった。それでも脳内で陽太郎とのコラ画像を生成してのたうち回り、毎朝違う作品に出会うために陽太郎より早起きをして、一日の始まりに芸術に触れる生活を送りたすぎて歯ぎしりが止まらなくなった。陽太郎は恥ずかしがって嫌がりそうだが、私も寝起きのくすんで崩れた顔面を生かし、『泣く女』のジェネリックよろしく新古典主義として対比で横に並びたい。虎にはそれを鑑賞してもらって是非芸術を楽しんでほしい。二度と出会えない刹那的な芸術作品に、きっと虎も感動することだろう。