今期は豊作で、熱心に見ているドラマがいくつかある。そのうちの一つが真夏のシンデレラだ。昔のトレンディドラマのような懐かしさを感じ、不器用を通り越した恋愛模様にはツッコミが止まらない。わいわい言いながら楽しく見れるドラマだ。一押しはオサムくん。彼は面白すぎる。
森七菜ちゃん演じるなっつんは、好意を見せてくれる間宮くんの前ではちゃんと女の子の顔をしていて、恋じゃん、とニヤニヤしてしまう。様子がおかしい幼馴染の彼に関してはあの魔性の女教師ともっと切ない恋を繰り広げて欲しかったが、間宮くんの恋敵役も担わなければならないので忙しく、あの挙動になるのも致し方ない。ただむしゃくしゃしてやったなっつんへのキスだけは頂けない。あんなに乙女心を踏みにじるキスは中々ない。屈辱だ。悪いと思うなら距離感を保てと思うが、前述の通り間宮くんの恋敵役も担っているので、彼にはこれからももっと不審な挙動をしてもらいたいという気持ちの方が大きい。ちなみにこの魔性の女教師役の女優さんを、箱根かどこかのサービスエリアでお見掛けしたことがある。顔がけん玉の玉くらいしかなかった。
小児科医でライフセーバーの彼はとにかく見た目が良い。登場してからしばらくは目がキマっていて、黒岩くんの時とは別人のようだった。彼の身に何が起きたのかと心配になったが、4話では普通になっていたのでひと安心した。バツイチ子持ちに想いを寄せる小児科医のライフセーバー、設定が盛り盛りである。海の中で立ったまま人口呼吸をしていたことが話題に上がっていたが、そういった声と併せて見るとより楽しい。
あいりちゃんはとにかく可愛い。私がこの女優さんを初めて見たのは純愛ディソナンスというドラマだったと記憶している。あのドラマもハマりにハマった。中島裕翔くんの持つ憂いを帯びた色気が役にどハマりしていて最高だったし、吉川愛ちゃんはちょっとムチっとしていてどんな表情をしていても可愛らしく、令和の深キョンだと大興奮した。それとは全く関係無いが、友人の父がPerfumeは平成のキャンディーズだと言って大興奮していたのをふと思い出した。
話が逸れたが、あいりちゃんはとにかく可愛い。オサムくんとマナブくん？ちょっと名前を思い出せないが、二人が好きになってしまうのも無理はない。オサムくんにはあいりちゃんみたいな真っ正面からぶつかってきてくれる女の子が合っていると思うので、私は二人を激推ししている。
昔は都会のお嬢様が夏の海のワイルドな男に惹かれるのが定番だったが、真夏のシンデレラはその逆だ。都会の疲れた男たちが夏の海の元気なギャルたちに惹かれる。そこもまたいい。ただ一つ気になる点があるとすれば、恐らく舞台となっている湘南は、ドラマで言うほどそんなに田舎ではないという点だ。私の地元から一番近い海であり、学生時代も海といえば湘南に行っていた。当時は油が浮いて濁ったきったねぇ海だった。波があるドブだった。ならば何故湘南に若者が集まるかというと、ひと夏のアバンチュールを求めた性欲盛んなヤリ目たちの社交場だからだ。今はどうか知らないが当時はそうだった。そして水族館デートといえば江ノ島水族館。通称は江ノ水(えのすい)である。私はここで初めてヒトデを触り、初めてイルカにぶっかけられた。初体験は大体ここで済ませた。
鎌倉も茅ヶ崎も目と鼻の先なのでロケーションもバッチリで、非日常的な雰囲気を味わえる。宿泊施設も豊富で都内からも近い。熱海よりもいかがわしさは軽快で、性地として選ばれる条件がこれでもかと揃っている。役満だ。会社員として働いていた時、配属された支店がまさにその性地にあった。実家からも通えたが、福利厚生を利用して性地で一人暮らしをすることにした。なぜなら私にとって性地である前に、そこはスラムダンクの聖地だからだ。ヤリ目共がヤリまくってる間、私は会社のクリーンキャンペーンで朝一で浜辺を清掃し、営業さんの車に乗せてもらって会社に向かう途中アニメのオープニングの踏切で写真を撮った。それから仕事を定時で終わらせ、クリーンキャンペーンお疲れ様飲み会の前に駅前のゲーセンのクレーンゲームで湘北ジャージと陵南ジャージを取った。またある日は海沿いの珊瑚礁という美味しいカレー屋さんで、これからやりますもしくはやりまくって腹減ったねみたいな大人のカップルたちに囲まれて、会社の先輩たちとカレーの食べ比べをした。どれもこれも絶品だった。
また話が逸れてしまったので戻すと、そう考えるとあの小児科医のライフセーバーとおぐねえの関係は、まさに夏の湘南を表しているのかもしれない。ドラマの中で東京を特別視しているのには違和感を隠しきれないが、今後も目の離せない楽しみなドラマである。幼馴染の彼には完全にタイミングを逃して今更遅いの代表格として頑張って欲しい。