陽太郎のアイコンからDMが送られてきた時は息が止まった。アイコンの顔の良さに気を取られること約２分。ようやくＤＭを開くと、サカモト村民10万人おめでとうキャンペーンの当選のお知らせだった。そこにはGODIVAが届くまで、このお知らせは二人だけの秘密にしておいてくださいね？と記載されていたので(業務的文章の脳内変換)、ついにこんな幻覚まで見るようになったかとそっ閉じして忘れることにした。なにせ私はこの手のキャンペーンにあまり応募しないし、したとしても一度も当たったことはない。絶対に当たらないものだと思っていたし、テキヤの射的の景品の、あの空っぽのAVのパケと同じようなものだと思っていたからだ。今回応募したのだって、ただ単に心の底から10万人を祝いたくてハッシュタグ&リツイートしただけだった。あまりに界隈が静か過ぎて、失礼すぎることに村民は100人もいないと思い込んでいた。
それが今日の夜、実際に届いた。本当に当選していたのだ。陽太郎への愛が、控え目だけど上品な甘さのチョコクッキーとなって返ってきたのだと思い上がるほど嬉しかった。

虎の食レポを聞きながら、陽太郎とチョコクッキーを一緒に食べる。陽太郎がチョコクッキーをサクサク食べる。そんなことして大丈夫？サクサクしてるから齧った時にお口から細かく砕けたクッキーが落ちちゃうかもしれないし、お口に細かく砕けたクッキーが付いちゃうかもしれないけど、そんなことして大丈夫？8枚入りだから私は2個でいいよって言うけど、おそらく陽太郎と譲り合いになるだろう。そしたら陽太郎は「じゃあ、はんぶんこしましょう？」なんて言って私の口にクッキーを押し込んで、一口齧ってくるに違いない。そして親指で唇を拭うあのモーションするんでしょ？なんてこった…空箱だと思っていたAVは空じゃなかった。夢だけど、夢じゃなかった。
昼のアクスタを目の前に、そうやって幻覚を見ながら食べるGODIVAはさぞ美味しかろう。明日のおやつが大変楽しみだ。

こんな下品な女の手元に渡るなんて陽太郎もGODIVAもかわいそうだけど、ありがたく美味しく頂きます！