狂った女の丸出し日記

響け!ユーフォニアム

2024/08/29 23:41
アマプラのおすすめに出てきたので観てみたところ、最高によかった。上質な百合としてみてもよし、純粋に青春部活アニメとしてみるもよしで、いずれにせよ感動のあまり涙すること間違いなし。
全国で金賞を目指すと決めたからには、腹を括らなければならない。いくら努力をしたところで報われないこともあり、ありとあらゆる厳しい現実と向き合わなければならなくなる。そういったリアリティや高校生たちの葛藤、その中で見つけた人生における宝物。何にも代え難い珠玉の経験がそこにあった。登場人物全員が主役であり、間違いなく神アニメと呼べる。
毎回物語の最後に主人公である黄前さんが、「そして次の曲が始まるのです」と言って〆るのだが、それがまた癖になる。明るいときもあれば落ち込んだ感じのときもあり、それを聞くとすぐにでも次の曲が聴きたくなるのです。
ところでその黄前さん。髪型が謎すぎる。何故か女性読者からは嫌われがちな朝倉南と似たフォルムをしており、毛先はタコの足のようになっている。そういうヘアアレンジかと思いきや寝る時もそのスタイルなので、下ろしたナチュラルな状態であの髪型だということが作中で判明したのだが、それによりさらに謎が深まった。一体どんなつむじでどんな毛穴の歪み方をしたらあんな癖が付くのか。キャラデザの担当者はどんな意図であのような髪型にしたのだろうか。結びすぎて跡が付いてしまったのかとも考えたが、先程も述べたとおり黄前さんは大体髪を下ろしている。よって結び跡とは考えにくい。なのでニュータイプの癖毛だと思うようにした。
終始ニュータイプの癖毛が気になってはいたものの、それを上回るストーリー性と演出であった為、そこまで気を散らすことなく没頭できた。特に演奏シーンはグッと来るものがあり、フレッシュで真っ直ぐな音色が、しなびてひん曲がった年増の心にいたく響いた。そして、衝突してでも本音でぶつかり合わなければその先へ行けないという、人付き合いにおいてとても大事なことを思い出させてくれた。当たり前の事だけどなかなか出来ることじゃない。広くも狭い世界で揉まれた結果、変に保身と処世術を身につけた大人同士ならばなおのこと難しい。
就学中の適齢期においても、下手したら友情も何もぶち壊れてしまいかねないが、例え落とし所が見つからずとも、相手の領域を理解し守ることができた時、真の友情が芽生え、確固たる絆が結ばれるのではないだろうか。それはまさに一生モノの宝。
それから長年付き合ってくると、言わなくても雰囲気で察したり、大体のことが「アレ」で通じるようになる。築き上げてきた信頼関係があればこそ、いい距離感をキープしつつ、見守り合うこともできてくる。察しが間違っていたとしても御愛嬌。衝突することや文句を言い合うこともあるけれど、嫌いになることはない。わかろうとし、認め合い、許し合える関係でいられるのがベストだ。勿論親しき仲にも礼儀あり。いくら友の頭がぶっ飛んでいるとしても、決してそれを忘れてはならない。
響け!ユーフォニアムには、そんな十代の時に築けたら理想的な人間関係があちらこちらに転がっており、それ以上の関係、ともすれば百合の高みとも言えるサンクチュアリが惜しげもなく展開されている。
ところがここに男が絡んでくると話は別だ。寝取り寝取られが発生した場合、女の友情は一瞬にして消え去るどころか泥沼の憎しみ合いと化す。そして次の曲が始まるのです。
ところで、近年の女の子がいっぱい出てくる系のアニメにおいて、眼鏡女子がエヴァのマリを彷彿とさせるキャラが多く見られるのは気の所為だろうか。あすか先輩といい負けヒロインの部長といい、世の男子が眼鏡女子に求める理想と役割が変わってきているのかもしれないと感じた。
私の定番眼鏡女子は、銀魂のさっちゃんと化物語の羽川さん。まどマギの暁美ほむらといちご100%の東城さん。それからアラレちゃんだ。
羽川さんも東城さんも、自ら積極的に恋を掴みに行く女子に敗れてしまった。いくらボインで賢い美女でも、待ってるだけでは何も得られないという教訓なのだろう。失恋して開花した二人でもあるので、阿良々木も真中も踏み台にしてめちゃくちゃいい男と幸せになってもらいたいのだが、賢くて優しくてしっかりした女ほどダメな男に弱いので、せめて幸せの泥舟が沈まないことを願うばかりである。

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