狂った女の丸出し日記

陽太郎について

2024/04/25 23:22
えんだん絶叫系
振り返りプレイをして改めて感じたことだが、陽太郎が初めて異性として異性を認識したのは“私”なのではないだろうか。
村におけるF層の割合は不明だが、陽太郎にとって村人は皆家族同然。恋愛対象として見るには陽太郎の境遇上難しいと考えられる。両親を失って失意のどん底にいた時はそれどころではなかったし、立ち直った時には独り立ちを考え始めている頃だろう。ただでさえ真面目な性格なので、仕事が軌道に乗るまでは恋愛どころではなくガムシャラに働いていたに違いない。繊細でありながら意志が強く、大事なことは必ず自分で選んで自分で決めたい男ので、お見合いも出来れば避けたく、するにしても今ではないと感じていたはずだ。

ようやく一人暮らしにも慣れ、仕事も軌道に乗ってきたところで村長の気まぐれか計らいか、丁度いいタイミングで人(♀)を預かってほしいとお願いされた。経緯が明かされていない為陽太郎が首を縦に振った理由は未だに想像しきれずにいるが、全てにおいてのタイミングが良かったことは間違いない。

そうして初めて会った時は転校生効果とでも言おうか、陽太郎の目には少なからず新鮮に映ったことだろう。あくまで願望だが、両親の出会いがよぎって運命めいたものを感じたかもしれない。仮にそこで少しときめいたとしても、顔色の悪さに心配の方が勝ってそれどころではなくなり、気を引き締めつつゆるやかな看病生活に入っていった為、その事について深く考えることはしなかったと思う。その上陽太郎も生活環境が変わり、自宅でありながら大なり小なり緊張感があったはずだ。自分の家に年頃の女がいて、自分の家の中で年頃の女の匂いがするのだ。陽太郎とて普通の年頃の男。どれだけ気を引き締めても少なからずソワソワしてしまうだろう。

そしてまさかの怪モノ憑きであることが判明。その丁度一年前に陽太郎が虎と出会い、住みつき始めたタイミングもバッチリだ。一年もあればこの二人ならいい関係性を築ける。もし虎が陽太郎の家にいなかったら、“私”は縁もゆかりも無い陽太郎の家で死ぬことになり、陽太郎もまた献身的に面倒をみていた女の死を目の当たりにすることになっていたのだから。

夜更かしの花見エピソードにより生まれた差し入れでは、陽太郎が花びらを取りながらドキドキしていたことが判明する。無防備な背中を見て髪に触れたときに異性を感じ、異性を意識していたのだろう。エピソード中は一切そんな素振りを見せなかったところに陽太郎の戸惑いを感じる。

あくまで憶測の域を出ないが、陽太郎は本心のさらに奥の触れられたくない部分は、絶対に人に見せたくないと思っている。繊細さ故に人に優しく、繊細さ故に傷付きやすい。なのでどれだけ恩があろうと、どれだけ好きだろうとそれとこれとは話が別であり、自覚がある無しに関わらず防衛本能として、エヴァンゲリオンでいうところのコアを決して人には見せられないのだと思う。だから基本的には相手の心に踏み込まず寄り添うという方法を取り、相手にもそれを望んでいる。そのコアを少しだけなら見せてもいと思った相手が陽太郎にとって本当に特別な人なのだと、私はそう解釈している。

それから様々な試練を一緒に乗り越えていくうちに各々絆を深め、虎のアシストもあって人間二人は恋に発展していくわけだが、こうしてみるとえんだんは『タイミング』『フィーリング』『ハプニング』の恋の三大ingを見事に踏んでいる。恋の始まりに戸惑いながらも気持ちは膨らむ一方で、悟られないよう務めて冷静さを心掛けてはいたものの所々で漏れており、そのうちに奪ってでも手に入れたい相手になったというわけだ。
ゆっくり育みたくても“私”といられる期限が迫っているかもしれない中、焦りもあったのか陽太郎はするつもりのなかった告白をした。きっと潜在意識が働いたのだろう。もう会えないかもしれないのに、言わないと後悔するぞと。
野菜農家としても男としても一皮むけ、それは“私”と“虎”のお陰であると陽太郎自身も分かっている。だからこそ二人の為になんでもしてあげたいし、ずっと傍にいて欲しいと願った。つまり何が言いたいかというと、そのような陽太郎の貴重な人生の転機に立ち会えるこのゲームは最高だということだ。

自信を持って言えないが、“私”の故郷からサカモトまでの距離は横浜~鎌倉くらいだろうと勝手に思っている。近すぎるかと上野~群馬の線も考えたが、病人が一人で移動できる距離であり、村長のツテとあれば同じ県内だと考えるのが自然だ。しかしこのあたりについてはまだ想像の余地はあるので、地図を眺めながらゆっくり楽しみたい。

ところでもうすぐ三周年。サラッと終わる気もしつつ、何かしらの新しい供給への期待を捨てきれずにいる。今年に入ってから何の音沙汰もなく、スローライフが売りとはいえあまりにもスローすぎる。ゲーム内においては当の陽太郎があまりスローライフを送っているように見えないところがいとをかし。

コメント

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  • スベル (非ログイン)2024/05/07 12:55

    陽太郎考察興味深いです。
    異性として認識したのが花弁の時なんだと思いながら改めて見るとまた新鮮な感じで良いですね!

    ところで明治から大正にかけてSLの時刻表を検索した事があるんですが、見てもどう読めば良いか分からなくて脳が拒否ったとこで諦めたんですよね…

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    • メイコ2024/05/07 16:41

      ストーカー特有の思い込みなのですが、触れることを許されて初めて髪に触れ、その質の違いに内心ドッキンコしてたらと思ってプレイすると、仰る通り新鮮です。そうやって新鮮さを自ら創り出し、なんとか食いつないでいくっていうね!

      当時の時刻表そんな暗黒暗号みたいな感じなんですか?!スベルさんが見て分からなければ誰も分からなそうなものですが、結果は見る前からわかってるけどチャレンジしてきます!

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