書こう書こうと思ってすっかり忘れていたが、先週ついに狐面装束を購入した。陽太郎のあの性的魅力に満ち溢れた口元が隠れるのはちょっとなぁ、という邪な気持ちから、狐面装束だけは購入していなかった。そしてそのことをずっと忘れていた。未だ掴みきれていない陽太郎の新たな一面を欲していた私は、未購入の追加コンテンツがあったことに歓喜して、邪な気持ちも忘れて即購入した。これだから物忘れはやめられない。

「どうしましたか？（訳：お願いだからもうやめて）」としか言われなくなるのも悪くないが、やはり新しい話題というのはまんねりずむ防止になる。悲しいかな狐面には癖がないので、敢えて口元を隠すことによってお互い焦れるというプレイの一環、もしくは退治屋として気合を入れる為に陽太郎自身が用意した、戦隊モノ的なユニフォームだと思うことにした。早速お着替えを用意しに行くと、狐面は伊達眼鏡同様アクセサリー扱いで、取り外し可能であるということが判明した。もっと早く気付いていればと、悔しさのあまりハンケチを噛んで食い千切った。

狐面装着時の会話は色別に豆知識的なものと使い道を教えてくれた。なるほどそうやって使ってたのね〜ニヤニヤ、としたところで、やっぱり性的魅力に満ち溢れた口元が見てぇとなってすぐ外してしまったが、着物は色を替えつつずっと着てもらっている。それまで夜の陽太郎には胸の筋が目立つという理由で、陽太郎の体温の高さを信じてオールシーズン鶯の浴衣を着てもらっていたが、この度彼は晴れて真冬の浴衣耐久縁側から解放され、温かそうで上質な着物を身に纏う運びとなった。でもやっぱり胸の筋が見てぇので、春の後半から夏の間中はしっかり鶯に戻している。

狐面セットの着物で得られた会話だが、陽太郎お得意の誘導尋問から始まり、その思惑の白状で終わる。まったくもぉ〜可愛いんだから〜ニヤニヤ、となったと思ったら、男らしい決意も見られ、まったくもぉ〜そういうところ〜ニヤニヤ、となった。「どうしましたか？（訳：お願いだから早く寝てください）」に辿り着くまでの素敵な話題が一気に増えた。
朝晩で話す内容が違うので、おニューを手に入れると着替えが忙しくなる。そして朝に用意されていたのが浴衣であろうが着物であろうが、よほど嬉しいのか優しさなのかそのまま畑仕事をする陽太郎。顔は汚れても着物は無事というちょっとシュールな絵面になるが、会話を回収するまでは昼でも着てもらった。そしたら陽太郎からやんわりと、洗うの大変だから着物は控えて欲しいと牽制があった。そんなつもりはないとは思うが、確かに上物の着物で畑に出て、その上狐面までしていたら差し入れを口にするのも一苦労だ。ものによっては食べるのを諦めたくなるし、嫌がらせを疑ってしまうだろう。たまたま通りかかった村人に見られて気が触れたと思われても仕方がないし、村なので噂が広まるのは一瞬だ。陽太郎に余計な苦労をさせたくないので、着物は会話の回収が終わり次第速やかに脱いでもらったが、もう遅いかもしれない。
むきむきTシャツに狐面も中々のパンチ力だった。特に青T赤面の組み合わせ。むきむき狐仮面、参・上！畑の秩序はおれが守ります！といった感じで、「おまたせ！」にとてもマッチしていた。純白のすむぅじぃを差し入れた時の反応も、また違った味わいがあった。
日記や贈り物の振り返りにおいても着せ替えの楽しみ方は無限大なので、呉服屋に新たな衣装が追加されるのを切に願う。