先日、久し振りに元同期たちと共に年を忘れてきた。新卒で入った会社で出会った愉快な仲間たちは、相変わらず愉快だった。

同じ部署の真由美(仮名)と別部署のオニバ(オニババアの略)、中学の同級生かつ女バスチームメイトのたむちゃん(入社前の研修で再会してびっくりしすぎて笑った)、元人事の山崎育三郎に激似のドM美女オリちゃん、経理の京ちゃん、営業のタクヤと椎茸、ベティちゃんの、女5男4が集まった。

オリちゃんは入社した時から男性社員のアイドルで、サバサバした性格もあって女性社員らも好かれており、当時の飲み会の如くウザ絡みされていた。まずチャラ男のベティちゃんが「オレのこと好きだったっしょ？」と絡み出したので、真由美とオニバと「好きなわけねぇだろ。」「お前相変わらず幸せだな。」「好かれる要素なくね？」とこちらもウザ絡みしにいった。ベディちゃんが「おいおいヤキモチか〜？」とさらにウザったので、真由美が「そうだよ！付き合って下さい！」と頭を下げて握手を求めると、「………ごめんなさい！」と深々と頭を下げ、「ふられたー！！」「あー！ベディちゃんが真由美泣かせたー！」「ほんと最低だな！」「誠意を見せろ！」そして差し出されるドラッグストアのレシート。「強力カビキラーとバタピー買ってるwww」「大掃除かよ」「えらいじゃん」そんな茶番を繰り広げた。この茶番もよくやったなと、研修から苦楽を共にしてきたあの頃を思い出して感慨深くなった。研修がかなり厳しかったので、乗り越えた時には仲良くなっていたという、今思えば会社の思うツボ、飛んで火に入る夏の虫だったというわけだ。

アフターシックスや休日にも遊びに行くほど意気投合していた私たちだが、各々転職や結婚といった環境の変化に伴って疎遠になっていた。それでもやはり会えばその当時のままであり、変わったことといえばメンズたちが互いにビジネス的な情報交換をするようになっていた。我々女性陣はその横で、炒飯を食べながらホルモンバランスの話に花を咲かせていた。お互い様だった。

ウザい絡みを含む茶番をちょいちょい挟みながら、思い出話やかつての同僚先輩上司は今どうしてるのかという話をし、真由美のニワトリのモノマネに呼吸困難になっているうちにあっという間に時間が来てしまい、名残り惜しくも女性陣は家路に、男性陣は二軒目へと向かった。女性陣は子育てが一段落ついてきたとのことで、年明けたらランチでもするかという話になり、ニワトリのモノマネを引きずりつつそれぞれの路線へと別れた。

帰りの電車でもニワトリのモノマネがチラついてしまった私は、一生懸命仄暗いドラマや仄暗いアニメの仄暗いシーンを思い出したり、ヤフーニュースの政治記事を読んでなんとか暗い気持ちにもっていこうと躍起になっていたら、見事乗り換えの駅で降りそびれてしまいましたとさ。