陽太郎とお好み焼きが食べたい。正確にはお好み焼きを焼く陽太郎が見たい。腕まくりをしてタネを混ぜるところから陽太郎の魅力は炸裂する。逞しい前腕、長い匙を持つ男らしい手、長い指。もうこの時点で美味しい。コテを持つ手も言わずもがなご馳走様です。
陽太郎は鉄板に丁寧にタネを落とした後は、ビールを飲みながら決していじらず片面が焼けるのを待ち、その時が来たら「そろそろかな？」と言ってお好み焼きを見事に返す。歓声を上げる虎。手にはもんじゃ焼き用のコテを持ち、今か今かと待っている。kawaii。

焼き上がったら私が刷毛でソースを塗り、青のりと鰹節をまぶす前にマヨネーズで陽太郎の名前とハートをたくさん書いて、アツアツのお好み焼きに仕上げる。「これじゃあ切り分けられないな…」とデレデレする陽太郎の横から、虎が「ならば我がやろう」とデカいコテを陽太郎の手から取って躊躇なく真っ二つに。ハートは残してもらって、陽太郎の皿に乗せてあげる。そして虎の鼻息で青のりが舞う。
二枚目は虎の顔を、三枚目はキヨシとウメの相合い傘を描く。こちらもアッツアツだ。

もんじゃ焼きは虎が担当する。陽太郎に教わりながら慎重に作るも土手が決壊し、みんなで慌てて汁を寄せ集め、コゲを作ってアツアツのもんじゃをふーふーしながら食べる陽太郎を見ながら食べたい。急に卓上にある調味料を試しに足そうとする陽太郎。えーとか言いつつ見守って、虎と意外といけるな！と言いながらもくもくと食べたい。
陽太郎のお好み焼きにおけるお気に入りのトッピングはキムチとチーズ。虎のもんじゃにおけるお気に入りのトッピングはベビースターともち明太。帰りは当然コンビニに寄ってアイスを買って帰る。

日々こうして陽太郎と脳内で過ごしているうちに、幻覚と幻聴がハッキリくっきりしてきてもはやVR要らずになっている。調子がいいと気配等も感じるので割と本気で自分が心配になる時があるが、幸せなのでヨシとする。