冗談
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
先日、流行りの呉服屋で新しいスカートを手に入れた。
ひざと足首の丁度中間くらいの長さで、残念な下半身がいい感じに誤魔化せる。形も色も好みど真ん中。少し値が張ったけど、一目惚れして即買いした。
お出掛け用にと買ったはいいけど、当分出番がなさそうなので、とりあえず家の中で履くだけ履いてみる。
軽くて涼しくて、鏡の前でくるりと回るとふわっと綺麗に揺れて気分が上がる。
せっかくなので二人にも見てもらおうと、縁側に向かった。
「あ、おれのかわいい子豚さん。そのスカート、新しく買ったんですか?」
すぐに気づいてもらえたことが嬉しくて、鏡の前でしたようにくるっと回って見せる。
「これどう?可愛くない?」
「すごくかわいいです。よく似合ってますよ。」
「おお!揺れると追いかけたくなるところが良いではないか!」
称賛を浴び、思い切って買ってよかったと思った瞬間。
「?!」
突風が吹き、二人の姿が一瞬にして目の前から消えた。
スカートの生地が顔面に貼り付いて、スカートすら見えない。
突然の出来事すぎて、何が起きたか分からなかった。
それでも反射的に顔から剥がそうとした頃には風がやみ、もがく手をあざ笑うかのように、スカートはするりと降りていった。
目の前が開けると、陽太郎は虎の目を隠しながら、首が心配になるほど顔を後ろに向けていた。
「みみみみ見てません…!何も見てませんから!」
そう言いつつ、耳が真っ赤に染まっている。
恥ずかしさを通り越し放心状態でいると、虎が陽太郎の手を外し、私の目を真っ直ぐ見て、しみじみ言った。
「おまえはそのすかぁと?よりも、もっと色気のある下着を買ったほうがいいと思うぞ。」
消えてしまいたい。今すぐに。
「虎!なんてことを言うんだよ!おれのかわいい子豚さん、気にしなくて大丈夫ですよ?おれは素朴でいいと思います!」
今の私には、陽太郎の優しさが辛かった。いっそ笑って欲しかった。
素朴ってなんだ。バッチリ見てるじゃないか。
「お見苦しいモノをお見せして、大変失礼しました。」
二人に精一杯の謝罪をし、自慢のスカートを翻して縁側を後にした。
そして、今日は一日中私室に籠もろうと心に決めたのだった。
ー完ー
【あとがき】
陽太郎は派手な下着よりも、本当に素朴な下着が好きそうだなって。フリルやレースがふんだんにあしらわれた下着にも感動はするものの、「洗濯が大変そうだな」と思ってしまうことでしょう。ネットにぶち込んで洗えばいいのに手洗いで洗ってくれる。それが縁がわ男子、陽太郎です。
ひざと足首の丁度中間くらいの長さで、残念な下半身がいい感じに誤魔化せる。形も色も好みど真ん中。少し値が張ったけど、一目惚れして即買いした。
お出掛け用にと買ったはいいけど、当分出番がなさそうなので、とりあえず家の中で履くだけ履いてみる。
軽くて涼しくて、鏡の前でくるりと回るとふわっと綺麗に揺れて気分が上がる。
せっかくなので二人にも見てもらおうと、縁側に向かった。
「あ、おれのかわいい子豚さん。そのスカート、新しく買ったんですか?」
すぐに気づいてもらえたことが嬉しくて、鏡の前でしたようにくるっと回って見せる。
「これどう?可愛くない?」
「すごくかわいいです。よく似合ってますよ。」
「おお!揺れると追いかけたくなるところが良いではないか!」
称賛を浴び、思い切って買ってよかったと思った瞬間。
「?!」
突風が吹き、二人の姿が一瞬にして目の前から消えた。
スカートの生地が顔面に貼り付いて、スカートすら見えない。
突然の出来事すぎて、何が起きたか分からなかった。
それでも反射的に顔から剥がそうとした頃には風がやみ、もがく手をあざ笑うかのように、スカートはするりと降りていった。
目の前が開けると、陽太郎は虎の目を隠しながら、首が心配になるほど顔を後ろに向けていた。
「みみみみ見てません…!何も見てませんから!」
そう言いつつ、耳が真っ赤に染まっている。
恥ずかしさを通り越し放心状態でいると、虎が陽太郎の手を外し、私の目を真っ直ぐ見て、しみじみ言った。
「おまえはそのすかぁと?よりも、もっと色気のある下着を買ったほうがいいと思うぞ。」
消えてしまいたい。今すぐに。
「虎!なんてことを言うんだよ!おれのかわいい子豚さん、気にしなくて大丈夫ですよ?おれは素朴でいいと思います!」
今の私には、陽太郎の優しさが辛かった。いっそ笑って欲しかった。
素朴ってなんだ。バッチリ見てるじゃないか。
「お見苦しいモノをお見せして、大変失礼しました。」
二人に精一杯の謝罪をし、自慢のスカートを翻して縁側を後にした。
そして、今日は一日中私室に籠もろうと心に決めたのだった。
ー完ー
【あとがき】
陽太郎は派手な下着よりも、本当に素朴な下着が好きそうだなって。フリルやレースがふんだんにあしらわれた下着にも感動はするものの、「洗濯が大変そうだな」と思ってしまうことでしょう。ネットにぶち込んで洗えばいいのに手洗いで洗ってくれる。それが縁がわ男子、陽太郎です。
5/12ページ