冗談
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
三人揃って縁側でおやつを食べながら和やかな時間を過ごしていると、突然虎が
「来るぞ。」
と低い声で呟いた。
ただ事じゃない雰囲気に一気に緊張感が走り、まさか大怪モノのような強い怪モノが近くまで来ているのかと、手に汗を握った。
みるみるうちに空が暗くなっていき、陽太郎も立ち上がって周囲を警戒し始めると、あっという間に上空が厚い雲で覆われて、空がゴロゴロと轟いた。
もし龍が実在するなら、その姿を現す前兆とはこういう感じなのかもしれないと思わせる空模様に、恐怖心はどんどん煽られていった。
極限の緊張感の中、浅い呼吸で視線を走らせていると、
「へそを隠せ!!」
虎が叫んだと同時に、空がピカッと光った。その直後、大砲が撃たれたかのような轟音が鳴り響き、振動がこちらまで伝わってくるような、そのあまりの衝撃に肩をすくめて目を閉じると、バリバリと木を割く音が追いかけて来た。
近くに落ちた。
そう思って恐る恐る目を開けると、陽太郎の大きい手が、私のへそを隠していた。
ー完ー
3/12ページ