さつまいも
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
今日は楽しいお芋掘り。陽太郎に誘われて、私は虎とさつまいもの収穫を手伝いに畑に来ていた。
「今日は作業着なんですね?」
「はい!気合い入れて掘るんでよろしく!」
「うむ、いい心意気だ…だがしかし!我が一番デカイさつまいもを掘り当てて見せる!陽太郎、おれのかわいい子豚、勝負だ!」
「後で焼き芋にしよう。今年は出来に自信があるから、二人とも楽しみにしてて!」
「くぅ~!腹が鳴るな!」
「腕じゃなくて?」
陽太郎が改良に改良を重ねて甘みの強い品種を生み出せたと言っていたので、ホクホク系かねっとり系か、心を弾ませながら位置に着いた。畑に向かって左から陽太郎、虎、私、としゃがみ、蔓を伝って根を見つけ、周りの土を掘ってさつまいもを引き抜く。これがなかなか楽しくて、大きなさつまいもが抜けた瞬間の快感は癖になる。
陽太郎は虎と私の様子を見ながらも、テキパキとさつまいもの蔓を切って、当たり前だけど手慣れた様子でさつまいもを重ねていた。虎も手慣れた様子で周りの土を掘り、はやくも毛を土だらけにして、芋を引っ張り上げようとしてはまた掘ってを繰り返している。私も蔓をかき分けて、適当な根に当たりをつけて土を除け、出てきたさつまいもを掴んで引き抜くと、形のいいそこそこのさつまいもが掘れた。土を払って綺麗にしていくと、隆起の逞しい立派な姿が露わになった。
「おれのかわいい子豚さん、また腕を上げましたね!」
「もう掘れたのか?どれ……」
二人に見えるよう掲げながら
「なんかこれ……」
陽太郎のち◯ち◯みたいだなと、最低なことを思ってしまった。
ボロっと、いやポロっと口に出さなくてよかったと思いつつドキドキしていると
「陽太郎の股にぶら下がってるモノと似てないか?」
笑ってはいけないと無意識に抑えた笑いは、歯の間からプスーッと抜けていき、虎の向こうの陽太郎を見ると、烈火の如くめちゃくちゃに顔を燃やしていた。私も同じことを思った手前、虎だけが怒られるのは可哀想で
「そうだね!すごく立派で逞しいところとか、似てるかもね!」
すかさずフォローを入れて陽太郎の顔色を伺うと、心配になるくらい顔を真っ赤にして口を結んで下を向いてしまった。私が介入したことによって、怒りたくても怒れない、そんな心境にさせてしまったのかもしれない。ハラハラしながら陽太郎のち◯ち◯に似たさつまいもを後ろに置くと
「虎」
「ん?」
「はぁ……悪気は無いんだよな?」
「悪気?なんのことだ?」
「そういうことは、思っても口に出しちゃダメ。」
「そういうこと…?あぁ、お前の股にぶらさがっ…ひっ!」
「虎には後でゆっくり教えてあげるとして、おれのかわいい子豚さんも。無理して合わせないでください。」
「合わせてないよ?だって本当にりっ…ごめんなさい。」
陽太郎の眉尻が上がったのを見てすかさず謝った。これ以上口を開くと墓穴を掘る一方なので、おとなしくさつまいもを掘るのに専念した。でも、掘り出すさつまいも全てがそう見えてしまい、どうしても顔がにやけてしまう。隣では虎がさっきから掘り続けていたさつまいもを掘り上げ、
「とれたー!なぁなぁ!これはなかなか大物ではないか?!」
私達の顔を交互に見た。掘り出すのに時間か掛かっていただけあって、太さも長さも申し分なく、私の片手では持てないくらい大きい。陽太郎のさつまいもの山と見比べても、いや、私が見てきた中で一番立派かもしれない。
「これはすごいな…!もしかしたら今までで一番大きいかも。」
「ほんと、こんな立派なさつまいも見たことない!」
「そうだよな?!我も長いこと生きてきたがこんなデカいさつまいもは見たことも掘ったこともないぞ!」
今までで一番大きくて…見たことないくらい立派…こんなデカい…
なんとなく陽太郎をちらっと見るとすぐに目が合った。すると少しいじわるな顔をして
「おれのかわいい子豚さん、そんなに好きなんですか?」
「えっ?!」
「さつまいもの話ですよ?」
からかわれたと気づいて顔が熱くなり、それならばと
「好きか嫌いかで言えば、好きです。」
と、いつかの陽太郎と同じ言葉を返すと、すぐにピンときたらしい陽太郎はまた顔を赤くした。
「勘弁してください…その気になったらどうするんですか?」
「その気って?」
「あなたも人が悪いですね…それは後でゆっくり教えてあげます。」
立派なさつまいもを持った陽太郎がにっこり笑うと、グゥ~~~と虎のお腹の音が鳴った。
「あとでじゃなくて、今その気になってもらわないと困る!我は今すぐこのデカい焼き芋が食いたい!」
「そうだな…そろそろお腹もすいてきたし、ここまでにして落ち葉を集めようか。」
陽太郎が立ち上がると、目に映るは陽太郎の立派な下半身。私の手には立派なさつまいも。そしてその気になった陽太郎…………
「あっ!ひらめいた!」
「新しい料理か?!」
「うん!これはすごい自信ある!」
「わぁ、出来上がるのが楽しみです!」
陽太郎に差し出された手につかまって立ち上がり、いてもたってもいられずにさつまいもを抱えて台所へと走った。
火をおこしてから軍手を外し、手とさつまいもを綺麗に洗って皮付きのまま一口大に切り、水を張った桶に入れた。
「あっ前掛け前掛け」
前掛けを取って巻いて、鍋に少し多めの油を敷いた。熱している間にさつまいもを水から出して水分を拭き取り、一口大に切ったさつまいもの一つを入れて油の温度をみる。
「よし、いい感じ。」
残りのさつまいももすべて入れ、焦げ目がつくまでじっくり揚げ焼きにする。竹串を通してすっと通ったら古紙に余分な油を吸わせ、ハチミツを絡める。焦がさないように注意しながら一つだけ味見をすると、そのままでもおいしいけど、なにかこう、キレが…
「醤油!」
急いで醤油を足して、まんべんなくさつまいもに絡ませる。おいしそうな香りがしてきた。ハチミツでツヤツヤと照り濡れて、見た目もそれっぽく、かつおいしそうに出来上がった。
火からおろした後、戸棚にお皿を取りに行った。煙の匂いがして、庭の方から虎と陽太郎の話声がかすかに聞こえてくる。多分虎にさつまいもの見た目についての発言を注意しているんだろうと察した。
お皿を選んで台所に戻り、出来上がったものを盛り付けて、ついでにお茶も淹れてから縁側に行くと、
「あ、もう出来たんですか?」
「すんすんすん…この匂いは…ハチミツか?!」
焼き芋組が集まってきた。
「手がべたべたすると思うから、お箸で食べて?」
「わぁ、おいしそうですね!」
「あぁ、もうたまらん…」
二人は私からお箸を受け取ると、手を合わせて
「「いただきます!」」
卑猥な発想から得た甘辛芋(仮名)を口に運んだ。
「どう?」
「うっっっま!!!」
「うん…!すごくおいしいです!」
「外はカリっと中はホックリ…ハチミツの甘さとしょっぱさが織りなす絶妙な味加減……天才か?」
「ハチミツと、お醤油ですか?子供からお年寄りまで好きそうな味ですよね。おやつにぴったりだ。後でおれにも作り方教えてくださいね!」
絶賛の嵐に自尊心が満たされていく。このレシピが閃いたいきさつだけは、さすがに墓場まで持っていこうと心に誓った。
「見た目も綺麗ですよね。照りがあって光に当たるとつやっとして、すごく食欲をそそります。」
「そうでしょう?でもまだ改良の余地がありそうだよね。」
と言いながらまたにやにやしてしまいそうになり、
「焼き芋はどんな感じかな~?」
誤魔化すように縁側から降りて陽太郎に背を向けて、焦げた落ち葉の山を覗き込んだ。
「虎の掘ったさつまいもは大きいから、まだ時間が掛かると思います。普通の大きさの方はもうそろそろいいかな?」
陽太郎もやってきて、軍手をはめながら焦げた落ち葉の山を覗き込んだ。棒でかき分けると、新聞紙にくるまれた焼き芋が出てきた。躊躇なく手で取ったので、急いで前掛けを広げて陽太郎から焼き芋を受け取ると、ずっしりと重くて少し体勢を崩した。
「大丈夫ですか?」
「うん、結構重いね。食べ応えありそう…あ、さつまいもの話だよ?」
悪戯っぽく笑って陽太郎の顔を見ると
「またそうやってからかう……悪い人にはおしおき、ですよ?」
「さつまいもで?」
「そんなことばかり言ってると、おしおきの時間が長くなりますよ?」
「こんなの嫁に貰って後悔した?」
「してません。大好きです。」
「…………。」
「照れてます?」
「照れてません!」
「あなたって、本当にかわいいですよね。」
「もう!またそういうこと言って!」
身体を寄せ合ってそんなやり取りをしていると、
「あっつあつだな。」
縁側で虎が仏のような笑顔を浮かべていた。
「なに、芋の話だ。我の芋も、あまりの熱さに燃えてしまったやもしれんな。」
「「あっ…」」
燃え尽きた落ち葉から慌てて取り出して、陽太郎が「あつっ!」っと言いながら、大きな焼き芋を手で交互に持ち替えて虎の元へ運んだ。
そうして戻った縁側で、三人で食べた陽太郎の自信作の焼き芋は、しっとりとしていて食べやすく、とても甘くておいしかった。そしてその気になった陽太郎のおしおきは、ねっとりとしていて濃厚で、あまりの甘さに腰が抜けるほどだった。
―完―
【あとがき】
陽太郎のサイズに関して言うと、そこまで大きくないような気もしており、立派だけど苦痛にならない、ギリギリを攻めた一番理想的なサイズなのではないかと思っております。夢見がちなので。
「今日は作業着なんですね?」
「はい!気合い入れて掘るんでよろしく!」
「うむ、いい心意気だ…だがしかし!我が一番デカイさつまいもを掘り当てて見せる!陽太郎、おれのかわいい子豚、勝負だ!」
「後で焼き芋にしよう。今年は出来に自信があるから、二人とも楽しみにしてて!」
「くぅ~!腹が鳴るな!」
「腕じゃなくて?」
陽太郎が改良に改良を重ねて甘みの強い品種を生み出せたと言っていたので、ホクホク系かねっとり系か、心を弾ませながら位置に着いた。畑に向かって左から陽太郎、虎、私、としゃがみ、蔓を伝って根を見つけ、周りの土を掘ってさつまいもを引き抜く。これがなかなか楽しくて、大きなさつまいもが抜けた瞬間の快感は癖になる。
陽太郎は虎と私の様子を見ながらも、テキパキとさつまいもの蔓を切って、当たり前だけど手慣れた様子でさつまいもを重ねていた。虎も手慣れた様子で周りの土を掘り、はやくも毛を土だらけにして、芋を引っ張り上げようとしてはまた掘ってを繰り返している。私も蔓をかき分けて、適当な根に当たりをつけて土を除け、出てきたさつまいもを掴んで引き抜くと、形のいいそこそこのさつまいもが掘れた。土を払って綺麗にしていくと、隆起の逞しい立派な姿が露わになった。
「おれのかわいい子豚さん、また腕を上げましたね!」
「もう掘れたのか?どれ……」
二人に見えるよう掲げながら
「なんかこれ……」
陽太郎のち◯ち◯みたいだなと、最低なことを思ってしまった。
ボロっと、いやポロっと口に出さなくてよかったと思いつつドキドキしていると
「陽太郎の股にぶら下がってるモノと似てないか?」
笑ってはいけないと無意識に抑えた笑いは、歯の間からプスーッと抜けていき、虎の向こうの陽太郎を見ると、烈火の如くめちゃくちゃに顔を燃やしていた。私も同じことを思った手前、虎だけが怒られるのは可哀想で
「そうだね!すごく立派で逞しいところとか、似てるかもね!」
すかさずフォローを入れて陽太郎の顔色を伺うと、心配になるくらい顔を真っ赤にして口を結んで下を向いてしまった。私が介入したことによって、怒りたくても怒れない、そんな心境にさせてしまったのかもしれない。ハラハラしながら陽太郎のち◯ち◯に似たさつまいもを後ろに置くと
「虎」
「ん?」
「はぁ……悪気は無いんだよな?」
「悪気?なんのことだ?」
「そういうことは、思っても口に出しちゃダメ。」
「そういうこと…?あぁ、お前の股にぶらさがっ…ひっ!」
「虎には後でゆっくり教えてあげるとして、おれのかわいい子豚さんも。無理して合わせないでください。」
「合わせてないよ?だって本当にりっ…ごめんなさい。」
陽太郎の眉尻が上がったのを見てすかさず謝った。これ以上口を開くと墓穴を掘る一方なので、おとなしくさつまいもを掘るのに専念した。でも、掘り出すさつまいも全てがそう見えてしまい、どうしても顔がにやけてしまう。隣では虎がさっきから掘り続けていたさつまいもを掘り上げ、
「とれたー!なぁなぁ!これはなかなか大物ではないか?!」
私達の顔を交互に見た。掘り出すのに時間か掛かっていただけあって、太さも長さも申し分なく、私の片手では持てないくらい大きい。陽太郎のさつまいもの山と見比べても、いや、私が見てきた中で一番立派かもしれない。
「これはすごいな…!もしかしたら今までで一番大きいかも。」
「ほんと、こんな立派なさつまいも見たことない!」
「そうだよな?!我も長いこと生きてきたがこんなデカいさつまいもは見たことも掘ったこともないぞ!」
今までで一番大きくて…見たことないくらい立派…こんなデカい…
なんとなく陽太郎をちらっと見るとすぐに目が合った。すると少しいじわるな顔をして
「おれのかわいい子豚さん、そんなに好きなんですか?」
「えっ?!」
「さつまいもの話ですよ?」
からかわれたと気づいて顔が熱くなり、それならばと
「好きか嫌いかで言えば、好きです。」
と、いつかの陽太郎と同じ言葉を返すと、すぐにピンときたらしい陽太郎はまた顔を赤くした。
「勘弁してください…その気になったらどうするんですか?」
「その気って?」
「あなたも人が悪いですね…それは後でゆっくり教えてあげます。」
立派なさつまいもを持った陽太郎がにっこり笑うと、グゥ~~~と虎のお腹の音が鳴った。
「あとでじゃなくて、今その気になってもらわないと困る!我は今すぐこのデカい焼き芋が食いたい!」
「そうだな…そろそろお腹もすいてきたし、ここまでにして落ち葉を集めようか。」
陽太郎が立ち上がると、目に映るは陽太郎の立派な下半身。私の手には立派なさつまいも。そしてその気になった陽太郎…………
「あっ!ひらめいた!」
「新しい料理か?!」
「うん!これはすごい自信ある!」
「わぁ、出来上がるのが楽しみです!」
陽太郎に差し出された手につかまって立ち上がり、いてもたってもいられずにさつまいもを抱えて台所へと走った。
火をおこしてから軍手を外し、手とさつまいもを綺麗に洗って皮付きのまま一口大に切り、水を張った桶に入れた。
「あっ前掛け前掛け」
前掛けを取って巻いて、鍋に少し多めの油を敷いた。熱している間にさつまいもを水から出して水分を拭き取り、一口大に切ったさつまいもの一つを入れて油の温度をみる。
「よし、いい感じ。」
残りのさつまいももすべて入れ、焦げ目がつくまでじっくり揚げ焼きにする。竹串を通してすっと通ったら古紙に余分な油を吸わせ、ハチミツを絡める。焦がさないように注意しながら一つだけ味見をすると、そのままでもおいしいけど、なにかこう、キレが…
「醤油!」
急いで醤油を足して、まんべんなくさつまいもに絡ませる。おいしそうな香りがしてきた。ハチミツでツヤツヤと照り濡れて、見た目もそれっぽく、かつおいしそうに出来上がった。
火からおろした後、戸棚にお皿を取りに行った。煙の匂いがして、庭の方から虎と陽太郎の話声がかすかに聞こえてくる。多分虎にさつまいもの見た目についての発言を注意しているんだろうと察した。
お皿を選んで台所に戻り、出来上がったものを盛り付けて、ついでにお茶も淹れてから縁側に行くと、
「あ、もう出来たんですか?」
「すんすんすん…この匂いは…ハチミツか?!」
焼き芋組が集まってきた。
「手がべたべたすると思うから、お箸で食べて?」
「わぁ、おいしそうですね!」
「あぁ、もうたまらん…」
二人は私からお箸を受け取ると、手を合わせて
「「いただきます!」」
卑猥な発想から得た甘辛芋(仮名)を口に運んだ。
「どう?」
「うっっっま!!!」
「うん…!すごくおいしいです!」
「外はカリっと中はホックリ…ハチミツの甘さとしょっぱさが織りなす絶妙な味加減……天才か?」
「ハチミツと、お醤油ですか?子供からお年寄りまで好きそうな味ですよね。おやつにぴったりだ。後でおれにも作り方教えてくださいね!」
絶賛の嵐に自尊心が満たされていく。このレシピが閃いたいきさつだけは、さすがに墓場まで持っていこうと心に誓った。
「見た目も綺麗ですよね。照りがあって光に当たるとつやっとして、すごく食欲をそそります。」
「そうでしょう?でもまだ改良の余地がありそうだよね。」
と言いながらまたにやにやしてしまいそうになり、
「焼き芋はどんな感じかな~?」
誤魔化すように縁側から降りて陽太郎に背を向けて、焦げた落ち葉の山を覗き込んだ。
「虎の掘ったさつまいもは大きいから、まだ時間が掛かると思います。普通の大きさの方はもうそろそろいいかな?」
陽太郎もやってきて、軍手をはめながら焦げた落ち葉の山を覗き込んだ。棒でかき分けると、新聞紙にくるまれた焼き芋が出てきた。躊躇なく手で取ったので、急いで前掛けを広げて陽太郎から焼き芋を受け取ると、ずっしりと重くて少し体勢を崩した。
「大丈夫ですか?」
「うん、結構重いね。食べ応えありそう…あ、さつまいもの話だよ?」
悪戯っぽく笑って陽太郎の顔を見ると
「またそうやってからかう……悪い人にはおしおき、ですよ?」
「さつまいもで?」
「そんなことばかり言ってると、おしおきの時間が長くなりますよ?」
「こんなの嫁に貰って後悔した?」
「してません。大好きです。」
「…………。」
「照れてます?」
「照れてません!」
「あなたって、本当にかわいいですよね。」
「もう!またそういうこと言って!」
身体を寄せ合ってそんなやり取りをしていると、
「あっつあつだな。」
縁側で虎が仏のような笑顔を浮かべていた。
「なに、芋の話だ。我の芋も、あまりの熱さに燃えてしまったやもしれんな。」
「「あっ…」」
燃え尽きた落ち葉から慌てて取り出して、陽太郎が「あつっ!」っと言いながら、大きな焼き芋を手で交互に持ち替えて虎の元へ運んだ。
そうして戻った縁側で、三人で食べた陽太郎の自信作の焼き芋は、しっとりとしていて食べやすく、とても甘くておいしかった。そしてその気になった陽太郎のおしおきは、ねっとりとしていて濃厚で、あまりの甘さに腰が抜けるほどだった。
―完―
【あとがき】
陽太郎のサイズに関して言うと、そこまで大きくないような気もしており、立派だけど苦痛にならない、ギリギリを攻めた一番理想的なサイズなのではないかと思っております。夢見がちなので。
1/1ページ