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一、鬼殺隊雪柱

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※みふゆ視点



ある日、お館様から文が届いた。

『みふゆの弟子であるアキを、雪柱に任命したいと思う』

簡潔に言えばそんな内容だった。
まだ最終選別から一年と少ししか経っていないのに、あの子はやっぱりすごい子だ。

そう思うと同時に、不安がよぎる。
自己評価が限りなく低いアキは、きっと一度は断るだろう。半年も見てきたから何となく分かってしまう。

それに、鬼に対するあの憎悪の感情。
家族を目の前で失ったせいか表情はほとんど変わらないけれど、鬼と対峙した時はこっちが息苦しくなるほどに憎しみが伝わってくる。
それが吉と出るか凶と出るか…。

「もう柱合会議の時期なのね…じゃあまた顔を出しに行きましょうか!」

隊士を引退してからは月に一度、お館様の元へ顔を見せに行っている。
柱合会議の日に行った事はないけど、まあ許されるだろう。お館様はお優しいから。

昔からずっと助けられて、与えられて、恩を返す前に隊士を辞めなければいけなくなってしまった。
アキが同じ想いをしないよう、導くまでが育手の役目だ。



「あまね様、いらっしゃいますか!」

戸口で大声を出す。いつもこうして訪ねて、すぐにあまね様か女中が出てくる。

…が、今日はしばらく誰も来ない。
今日が柱合会議で間違いなさそうだ。

「鶴喰みふゆ様、お待ちしておりました。お館様がお呼びですので、こちらへどうぞ」

「お久しぶりです、あまね様。こんな時に申し訳ありません、お邪魔させて頂きます」

まるで私が来る事を分かっていたかのような言葉をかけるあまね様の背中を追う。
手土産の水菓子は途中にすれ違った女中に渡した。

開けられた襖の先には、星座をしたお館様の背中。
奥の庭には柱の子たちと、しのぶちゃんにアキ

「あれ…もしかして柱合会議だった?」

あくまで知らなかったていで、部屋に入る。

お館様に挨拶しつつ、座りながらアキに手を振るが、困ったように首を傾げるだけだった。

その後、アキと会話しながら当時の事を思い出す。

「荷が重い」「そんなに出来た人間じゃない」なんて言い訳してたっけ。
炎柱の槇寿郎さんに「強くなって守りたいなら柱になるべきだ」って説得されて…あぁ、懐かしい。

「…先程は失礼致しました。そのお話、謹んでお受け致します」

頭を下げるアキを見て、小さく微笑んだ。
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