第八章 守る、守られる
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蝶屋敷へ通う日を二日に一回に増やして、朝から夕方まで手伝う日が続いた。
お父さんからは特に連絡はない。
寂しいし心配だけど、死んだって連絡がないんだからきっと何とかやってると思う。
「なほちゃん、洗濯物ってこれだけ?」
「はい!今日はそれだけです!」
「わかった、じゃあ干してくるね」
感情を切り替えて、手伝いを再開する。
しのぶさんに言われた通り、何とかご飯を食べつつ、まとまった睡眠を取れるように心掛けていた。
誰かと話す時間ってすごく大事なんだなぁと改めて思う生活をしながら過ごしたある日。何人かの隊士が蝶屋敷へと運ばれてきた。
ほとんどの人が軽症だったが、そのうちの1人は右足の膝から下を切断してしまったらしい。
幸い、破傷風などは起こしていないようだったが、心此処に在らずという感じで何を言っても曖昧な返事しか返って来ない。
「こんにちは、体調はお変わりありませんか?」
「あぁ…」
「こちらにお水、置いておきますね」
無くなった体の一部は戻ることがない。でも、可哀想と思うのはこの人のやってきた事を否定することになる。
どう接したらいいか分からず、私はただ食事や新しい着替えを運ぶ事しかできない。
数日経っても様子は変わる事がなかった。
「うーん…すみちゃん、この花瓶どこの部屋だっけ?」
「それは廊下の奥から二番目の部屋です!」
「ありがとう、置いてくるね」
もう一つ手前の部屋が、例の隊士の部屋。
前を通ると、開いた扉からアオイさんと隊士が見える。アオイさんが湯呑みの薬を飲ませようとしている所だ。
そのまま通り過ぎようとした時。
「薬なんか飲んで何になるんだよ!!」
その隊士の、聞いたことのない怒号が聞こえた。
思わず立ち止まってもう一度目を向ける。隊士が、湯呑みを持ったアオイさんの手をはたいたようで、床に落ちた湯呑みは音を立てて割れた。
「その薬を飲めば足が戻るのか!?ただ痛みを紛らわせるだけだろうが!いいよな、ここに居れば蟲柱様が守ってくれるんだから!俺らがどんな想いで鬼と戦ってるかなんて分からないんだろ!」
「…もう、やめてください」
私は我慢出来ず、アオイさんと隊士の間に立った。
お父さんからは特に連絡はない。
寂しいし心配だけど、死んだって連絡がないんだからきっと何とかやってると思う。
「なほちゃん、洗濯物ってこれだけ?」
「はい!今日はそれだけです!」
「わかった、じゃあ干してくるね」
感情を切り替えて、手伝いを再開する。
しのぶさんに言われた通り、何とかご飯を食べつつ、まとまった睡眠を取れるように心掛けていた。
誰かと話す時間ってすごく大事なんだなぁと改めて思う生活をしながら過ごしたある日。何人かの隊士が蝶屋敷へと運ばれてきた。
ほとんどの人が軽症だったが、そのうちの1人は右足の膝から下を切断してしまったらしい。
幸い、破傷風などは起こしていないようだったが、心此処に在らずという感じで何を言っても曖昧な返事しか返って来ない。
「こんにちは、体調はお変わりありませんか?」
「あぁ…」
「こちらにお水、置いておきますね」
無くなった体の一部は戻ることがない。でも、可哀想と思うのはこの人のやってきた事を否定することになる。
どう接したらいいか分からず、私はただ食事や新しい着替えを運ぶ事しかできない。
数日経っても様子は変わる事がなかった。
「うーん…すみちゃん、この花瓶どこの部屋だっけ?」
「それは廊下の奥から二番目の部屋です!」
「ありがとう、置いてくるね」
もう一つ手前の部屋が、例の隊士の部屋。
前を通ると、開いた扉からアオイさんと隊士が見える。アオイさんが湯呑みの薬を飲ませようとしている所だ。
そのまま通り過ぎようとした時。
「薬なんか飲んで何になるんだよ!!」
その隊士の、聞いたことのない怒号が聞こえた。
思わず立ち止まってもう一度目を向ける。隊士が、湯呑みを持ったアオイさんの手をはたいたようで、床に落ちた湯呑みは音を立てて割れた。
「その薬を飲めば足が戻るのか!?ただ痛みを紛らわせるだけだろうが!いいよな、ここに居れば蟲柱様が守ってくれるんだから!俺らがどんな想いで鬼と戦ってるかなんて分からないんだろ!」
「…もう、やめてください」
私は我慢出来ず、アオイさんと隊士の間に立った。