第九章 生きる、繋ぐ
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最後の隊士を見送った私たちは、溜め息を吐いて顔を見合わせた。
あの厳しい指導をみんな乗り切ったんだ、次からもきっと頑張れると思う。
静かになったね、なんて口々に話していると、普段より幾分か動きやすそうな格好のお父さんが出てくる。
「お館様の所へ出掛けてくる。帰りは明日になるが、暗くなる前に戸締りしろよ」
ぽん、と頭を撫でられ、返事をする間もなく消えていった。
お館様の所で何を話して、何をやっているかは私たちに教えてくれない。教えられない理由があるんだろう。
「天元様は何をやってるんでしょうねぇ」
「さあ…私たちが調べたらすぐ分かるんでしょうけど」
「信頼されてるから話さないんだ、詮索するんじゃないよ」
いつもの事、というような口調で片付けを始める。
お館様…何かある前に、もう一度だけ、お話したい。会っておかなければ、もう会えないような気がする。
連れてってくれるかな…?
「お父さん、忙しそうだね」
なんだかんだ、いつも忙しそうにしてる。だからちゃんと話す事も少ないまま。
それだけじゃないけど…。
「寂しい?」
「…ちょっとだけ。でも大丈夫」
笑いながら返事をすれば、安心したように笑い返してくれる。お母さんたちがいない夜も少なくなって、寂しいと思う日は格段に減った。
減ったけど、もっと一緒にいられたらいいのに…。
と思ってしまうぐらいに、私は欲のある人間だったようだ。
帰ってきたら、また色んな話をして、お館様の所へ連れて行って貰えるかも頼んでみよう。
「ね、みんなで買い物行こ!」
「そうねぇ、久しぶりにみんなで行きましょうか」
雛鶴さんの手を引く私を見て、みんなが笑う。大好きな優しい笑顔が並んでいると、私も口角が上がる。
「やった!すぐ準備するね!」
部屋まで走り始めると「転ばないようにねー!」と背中に声が聞こえる。それが今は嬉しくて、笑顔のまま足を早めた。
あの厳しい指導をみんな乗り切ったんだ、次からもきっと頑張れると思う。
静かになったね、なんて口々に話していると、普段より幾分か動きやすそうな格好のお父さんが出てくる。
「お館様の所へ出掛けてくる。帰りは明日になるが、暗くなる前に戸締りしろよ」
ぽん、と頭を撫でられ、返事をする間もなく消えていった。
お館様の所で何を話して、何をやっているかは私たちに教えてくれない。教えられない理由があるんだろう。
「天元様は何をやってるんでしょうねぇ」
「さあ…私たちが調べたらすぐ分かるんでしょうけど」
「信頼されてるから話さないんだ、詮索するんじゃないよ」
いつもの事、というような口調で片付けを始める。
お館様…何かある前に、もう一度だけ、お話したい。会っておかなければ、もう会えないような気がする。
連れてってくれるかな…?
「お父さん、忙しそうだね」
なんだかんだ、いつも忙しそうにしてる。だからちゃんと話す事も少ないまま。
それだけじゃないけど…。
「寂しい?」
「…ちょっとだけ。でも大丈夫」
笑いながら返事をすれば、安心したように笑い返してくれる。お母さんたちがいない夜も少なくなって、寂しいと思う日は格段に減った。
減ったけど、もっと一緒にいられたらいいのに…。
と思ってしまうぐらいに、私は欲のある人間だったようだ。
帰ってきたら、また色んな話をして、お館様の所へ連れて行って貰えるかも頼んでみよう。
「ね、みんなで買い物行こ!」
「そうねぇ、久しぶりにみんなで行きましょうか」
雛鶴さんの手を引く私を見て、みんなが笑う。大好きな優しい笑顔が並んでいると、私も口角が上がる。
「やった!すぐ準備するね!」
部屋まで走り始めると「転ばないようにねー!」と背中に声が聞こえる。それが今は嬉しくて、笑顔のまま足を早めた。
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