第九章 生きる、繋ぐ
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「遅い遅い遅い遅い!!」
お父さんの声が響く中で、私とお母さん達はせっせとおむすびを握っていた。
柱稽古、というものが始まったらしい。
両手両足の指じゃ数え切れない人数が一気に走り出すと、その場が揺れるような感覚があった。
「天元様、楽しそうね」
うんうん、と頷く3人の目には、あれが楽しそうに映っているようだ。
まあ、楽しそうと言われれば楽しそう…なのかな…?
「よし休憩だ!全力で休んで全力で走れ!」
その言葉を合図に、私たちは水とおむすびを持って駆け回る。
「水とおむすびです!足りない方は教えてくださーい!」
配りながら叫ぶと、こっちに水を!もう一つおむすびください!と声がどんどん上がる。
中には息が上がりすぎて喋れないような人もいて、そういう人には「落ち着いたらどうぞ」と横に置いていく。
たくさんの人の中に、知り合いを見つけた。
「みなさん、お疲れ様です!」
3人の前にしゃがんで声をかけると、一斉に顔を上げてこっちを見る。私だと認識すると、少しだけ表情が柔らかくなった気がした。
「アキちゃん!今日も可愛いねぇ!」
「いつだったか蝶屋敷にいた女じゃねぇか!」
我妻くんと嘴平くんは相変わらずだなぁ。
嘴平くんのほうは、雌から女に変わっただけマシか。
「お久しぶりです、お元気そうで何より」
「あぁ、久しぶりだな!」
少し話をして、頑張ってくださいね、と残してまた駆け回る。
年の近い友人がカナヲちゃんぐらいしかいない、というのもあるけど、あの人たちは話していて飽きない。
出会い方が違えば、きっと何でもない話をして笑い合うような関係になれたかな。
…早く、そんな世界になればいいな。
「休憩終了ー!さぁ走れ走れ!」
お父さんの声に、はっとする。
竹刀を振り回して追い立てるようにみんなを走らせている。
今夜は、任務もなくここへ泊まる隊士も多いだろう。お母さんたちと私は、今度は寝床と夕餉の支度を始めた。
余計な事を考えている暇はない、私に出来る事をちゃんとやらなければ。
お父さんの声が響く中で、私とお母さん達はせっせとおむすびを握っていた。
柱稽古、というものが始まったらしい。
両手両足の指じゃ数え切れない人数が一気に走り出すと、その場が揺れるような感覚があった。
「天元様、楽しそうね」
うんうん、と頷く3人の目には、あれが楽しそうに映っているようだ。
まあ、楽しそうと言われれば楽しそう…なのかな…?
「よし休憩だ!全力で休んで全力で走れ!」
その言葉を合図に、私たちは水とおむすびを持って駆け回る。
「水とおむすびです!足りない方は教えてくださーい!」
配りながら叫ぶと、こっちに水を!もう一つおむすびください!と声がどんどん上がる。
中には息が上がりすぎて喋れないような人もいて、そういう人には「落ち着いたらどうぞ」と横に置いていく。
たくさんの人の中に、知り合いを見つけた。
「みなさん、お疲れ様です!」
3人の前にしゃがんで声をかけると、一斉に顔を上げてこっちを見る。私だと認識すると、少しだけ表情が柔らかくなった気がした。
「アキちゃん!今日も可愛いねぇ!」
「いつだったか蝶屋敷にいた女じゃねぇか!」
我妻くんと嘴平くんは相変わらずだなぁ。
嘴平くんのほうは、雌から女に変わっただけマシか。
「お久しぶりです、お元気そうで何より」
「あぁ、久しぶりだな!」
少し話をして、頑張ってくださいね、と残してまた駆け回る。
年の近い友人がカナヲちゃんぐらいしかいない、というのもあるけど、あの人たちは話していて飽きない。
出会い方が違えば、きっと何でもない話をして笑い合うような関係になれたかな。
…早く、そんな世界になればいいな。
「休憩終了ー!さぁ走れ走れ!」
お父さんの声に、はっとする。
竹刀を振り回して追い立てるようにみんなを走らせている。
今夜は、任務もなくここへ泊まる隊士も多いだろう。お母さんたちと私は、今度は寝床と夕餉の支度を始めた。
余計な事を考えている暇はない、私に出来る事をちゃんとやらなければ。