第八章 守る、守られる
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
次の日、昼時より少し後にしのぶさんから文が届いた。
みんな生きている、あんまり長くはかからず帰るだろうと、私を安心させる言葉が並べられていた。
そこでようやく、肩の力が抜ける感じがした。
「ありがとうございます、良ければお茶でもいかがですか?」
文を届けてくれた隠は、後藤と名乗った。
私の目をじっと見ていた後藤さんは、では少しだけ、と縁側に回ってくれた。
「付き合って頂いてすみません…お口に合えば良いんですけれど」
緑茶を淹れ、昼前に作っていた団子も一緒に出す。
須磨さんに教えてもらった団子は、米粉を少し混ぜているから弾力があって美味しい。
口元の布を上に上げて「ありがとうございます」とお茶を口にする後藤さん。
「良い香りですね、新茶ですか?えっと…」
「アキです、敬語もいらないですよ。お茶屋さんから頂いた新茶なんです」
「なるほど…アキは音柱様の娘なんだよな」
辛かっただろう、と頭をぽんと撫でて、団子をかじった。
「そうですね…辛いというよりは、すごく寂しかったかもしれません」
温かい湯呑みを持って、ふう、とため息をつく。
「でも、生きていてくれてるんです。それだけでも本当に、嬉しい」
「そうだなぁ…怪我は酷かったけど、音柱様は息災さ。元気すぎて蟲柱様がよく青筋立てて怒ってるし」
笑いながらお父さんの様子を教えてくれる。
きっと私を元気づけてくれてる、というのがよく分かった。
残りの団子を頬張って立ち上がった後藤さんは、もう一度私の頭を撫でて「美味かったぜ」と言って行ってしまった。
忙しかったのに、引き止めちゃったかな。
たくさんの人に支えられて、感謝してもしきれない。
空になった皿と湯呑みをじっと見つめ、「美味かった」という言葉を思い出して、小さく微笑んだ。
みんな生きている、あんまり長くはかからず帰るだろうと、私を安心させる言葉が並べられていた。
そこでようやく、肩の力が抜ける感じがした。
「ありがとうございます、良ければお茶でもいかがですか?」
文を届けてくれた隠は、後藤と名乗った。
私の目をじっと見ていた後藤さんは、では少しだけ、と縁側に回ってくれた。
「付き合って頂いてすみません…お口に合えば良いんですけれど」
緑茶を淹れ、昼前に作っていた団子も一緒に出す。
須磨さんに教えてもらった団子は、米粉を少し混ぜているから弾力があって美味しい。
口元の布を上に上げて「ありがとうございます」とお茶を口にする後藤さん。
「良い香りですね、新茶ですか?えっと…」
「アキです、敬語もいらないですよ。お茶屋さんから頂いた新茶なんです」
「なるほど…アキは音柱様の娘なんだよな」
辛かっただろう、と頭をぽんと撫でて、団子をかじった。
「そうですね…辛いというよりは、すごく寂しかったかもしれません」
温かい湯呑みを持って、ふう、とため息をつく。
「でも、生きていてくれてるんです。それだけでも本当に、嬉しい」
「そうだなぁ…怪我は酷かったけど、音柱様は息災さ。元気すぎて蟲柱様がよく青筋立てて怒ってるし」
笑いながらお父さんの様子を教えてくれる。
きっと私を元気づけてくれてる、というのがよく分かった。
残りの団子を頬張って立ち上がった後藤さんは、もう一度私の頭を撫でて「美味かったぜ」と言って行ってしまった。
忙しかったのに、引き止めちゃったかな。
たくさんの人に支えられて、感謝してもしきれない。
空になった皿と湯呑みをじっと見つめ、「美味かった」という言葉を思い出して、小さく微笑んだ。