第七章 市松模様と、鬼
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『鬼を連れた隊士がいる』
そういう噂は聞いていた。そして、この目で見るまでは信じられなかった。
柱合会議に連れて来られた、額に痣のある少年。
おそらくアキと同じ年頃だが、この少年が鬼を連れて歩いていると…?
人を襲わない、食わない鬼なんぞいるものか。
そう思っていたのに、傷を負って尚、稀血である不死川の血液にも耐え、お館様はその鬼を認めた。
いくら自分が信じられなくても、認めなければならない。
柱合会議が終わり、ぞろぞろと産屋敷邸を後にする。
門前には、連れてきていたアキが動物に囲まれ待っていた。
兎、狸、鳥などの小動物がアキの周りを囲んで、アキは困ったように微笑んでいる。
その動物たちも、俺らの姿を見てどこかへ行ってしまった。
「あ、お父さん!おかえりなさい!」
俺を見つけると、小走りで駆け寄ってきて抱き着く。
それを見た煉獄、伊黒、甘露寺、時透が目を丸くして驚いていた。あの無表情の時透でさえその反応か、と少し笑ってしまう。
「宇髄!君には娘がいたのか!」
煉獄はその大きな目を俺に向け、特に何もなかったように俺に聞いてきた。
いや、さっき見たよ?驚いてる顔。今更すまし顔で何を。
「あぁ、言ってなかったか?」
「初耳です~!可愛いわぁ、名前は何ていうの?」
甘露寺がアキに近付き、目線を合わせつつ聞いていた。
当のアキは、知らない人間が複数いたせいか、抱き着いたのを見られて恥ずかしいのか、顔を赤くしている。
「アキです…よろしくお願いします」
はにかんで、俺の後ろに隠れるアキ。
甘露寺はそれすら「可愛いわぁ!」と両手を合わせて騒いでいる。
それを後ろから見ている伊黒からは、なんとも言えない黒い雰囲気が…嫉妬か?
気付いたアキは、ぎゅっと俺の隊服を握った。
「伊黒、あんまり怖がらせないでやってくれ」
アキに、4人の名前を教えてやると、改めて「よろしくお願いします」と挨拶していた。
時透はもう既に興味がないかのようにぼーっとしていて、先に帰ってしまった。
それに続いて、各々が帰っていく。
「宇髄さん、どうされますか?これから蝶屋敷、来るんですか?」
胡蝶が俺の前に立ち、そう尋ねてきた。
元々、柱合会議のあとは蝶屋敷に行く予定だった。だが、今あそこにはあの竈門炭治郎という少年、それに鬼がいる。
「…アキ、また今度でもいいか?」
「え、どうして?カナヲちゃんとお話したかったのに…」
「また別の機会に連れて行ってやるから、今回はもう帰ろう」
有無を言わせぬ俺の言葉に何か感じたのか、不満そうではあるがアキは頷く。
「ありがとな、約束だ」
「ではまた後日、お待ちしていますね」
アキも、待っていますよ。と言い残して胡蝶も去っていった。
「柱の人たち、増えたんだね」
「あぁ、みんな強い」
「…みんな、また生きて会えるといいね」
「…そうだな」
胡蝶カナエを思い出しているのか、服を握ったその手の力が緩められない。
大丈夫だ、というようにアキを抱き上げていつもより少しゆっくり帰路を走った。
そういう噂は聞いていた。そして、この目で見るまでは信じられなかった。
柱合会議に連れて来られた、額に痣のある少年。
おそらくアキと同じ年頃だが、この少年が鬼を連れて歩いていると…?
人を襲わない、食わない鬼なんぞいるものか。
そう思っていたのに、傷を負って尚、稀血である不死川の血液にも耐え、お館様はその鬼を認めた。
いくら自分が信じられなくても、認めなければならない。
柱合会議が終わり、ぞろぞろと産屋敷邸を後にする。
門前には、連れてきていたアキが動物に囲まれ待っていた。
兎、狸、鳥などの小動物がアキの周りを囲んで、アキは困ったように微笑んでいる。
その動物たちも、俺らの姿を見てどこかへ行ってしまった。
「あ、お父さん!おかえりなさい!」
俺を見つけると、小走りで駆け寄ってきて抱き着く。
それを見た煉獄、伊黒、甘露寺、時透が目を丸くして驚いていた。あの無表情の時透でさえその反応か、と少し笑ってしまう。
「宇髄!君には娘がいたのか!」
煉獄はその大きな目を俺に向け、特に何もなかったように俺に聞いてきた。
いや、さっき見たよ?驚いてる顔。今更すまし顔で何を。
「あぁ、言ってなかったか?」
「初耳です~!可愛いわぁ、名前は何ていうの?」
甘露寺がアキに近付き、目線を合わせつつ聞いていた。
当のアキは、知らない人間が複数いたせいか、抱き着いたのを見られて恥ずかしいのか、顔を赤くしている。
「アキです…よろしくお願いします」
はにかんで、俺の後ろに隠れるアキ。
甘露寺はそれすら「可愛いわぁ!」と両手を合わせて騒いでいる。
それを後ろから見ている伊黒からは、なんとも言えない黒い雰囲気が…嫉妬か?
気付いたアキは、ぎゅっと俺の隊服を握った。
「伊黒、あんまり怖がらせないでやってくれ」
アキに、4人の名前を教えてやると、改めて「よろしくお願いします」と挨拶していた。
時透はもう既に興味がないかのようにぼーっとしていて、先に帰ってしまった。
それに続いて、各々が帰っていく。
「宇髄さん、どうされますか?これから蝶屋敷、来るんですか?」
胡蝶が俺の前に立ち、そう尋ねてきた。
元々、柱合会議のあとは蝶屋敷に行く予定だった。だが、今あそこにはあの竈門炭治郎という少年、それに鬼がいる。
「…アキ、また今度でもいいか?」
「え、どうして?カナヲちゃんとお話したかったのに…」
「また別の機会に連れて行ってやるから、今回はもう帰ろう」
有無を言わせぬ俺の言葉に何か感じたのか、不満そうではあるがアキは頷く。
「ありがとな、約束だ」
「ではまた後日、お待ちしていますね」
アキも、待っていますよ。と言い残して胡蝶も去っていった。
「柱の人たち、増えたんだね」
「あぁ、みんな強い」
「…みんな、また生きて会えるといいね」
「…そうだな」
胡蝶カナエを思い出しているのか、服を握ったその手の力が緩められない。
大丈夫だ、というようにアキを抱き上げていつもより少しゆっくり帰路を走った。