第一章
夢小説設定
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「あの、名前、教えてください!!」
私はすぐに声をかけた。
「え?俺?」
彼は驚いた顔をして聞き返した。彼と彼の周りの人だけジャケットに赤い線が引かれている。これはどういう意味なんだろう。
「はい!」
「チャド。チャド・チャダーン。」
「名前まで素敵。」
思わず思ったことが口から出た。愛らしいの一言だ。なんて素敵な人なんだろう。これが一目惚れか。
「は?」
「えへへ、覚えました。よろしくお願いします、チャドさん!!」
「チャド気に入られたな。」
こんなに素敵な人なんだ。好きになるなという方が無理な話だ。
「チャドさん年は?私は19だけど、」
「今年で17。あんたより年下だよ。」
若い……!!こんなにかっこよくて年下なの?17か、じゃあまだまだ成長途中なわけだ。
「そっか、私の方がお姉さんなのか。チャドさん大人っぽいからてっきり私より年上だと思った。年下でも素敵だけどね。」
「俺に何期待してるか知らないけど俺はヒューマンデブリだ。あんたのそばにはいられないぞ。」
ヒューマンデブリ。この世界では宇宙のごみみたいな値段で取引される存在だ。自由になるには自分を買い戻すか登録書を手に入れるしかない。多分マルバに私が買うといえば買えるだろうけどご指名となればとんでもない値段を言われるだろう。
私が惹かれたのはチャド・チャダーンという人間だ。ヒューマンデブリだろうと関係ない。
「いいの。私が勝手にあなたを好きになっただけだから。」
「え、何言って、」
初心な反応がおもしろい。かわいい子だ。
「クロエちゃん、こっちの相手もしてくれよ。」
偉そうなおじさんに話しかけられる。なんとなくこの人たちは苦手だなあ。優位に立った気でいる。クソみたいな男ども。
「あはは、待ってくださいよ。」
これからこんな所で働けるんだろうか。自分の身を守る術を身につけた方がいいな。私だけじゃない。ここのみんなを守れるくらいの。
「クロエちゃんも大変だよなあ、こんな男だらけのところに連れてこられて。ユールとかいう奴はクロエちゃんと付き合ってんの?」
「まさか、ただの上司ですよ。」
気持ち悪い。明らかに仮面を被ってる。優しいふりして何をするつもりなのかなんてお見通しだ。
「好きな人がいるので、ユールさんのことは何とも。」
「あいつらの中か?」
「まさか。」
ここで正直に答えたら絶対チャドさんがろくな目に遭わない。なんとなくそう思った。
「それなら練習するべきだよなあ。」
やばい。逃げよう。
すぐに立ち上がったら思いきり殴られた。
「ここでは俺らの方が立場が上だってこと、覚えとけ!!」
「んじゃ回すか。」
意味なんてすぐにわかった。逃げなきゃ、逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃ。
とにかく走れ、止まるな。
これからどうしよう、ここで生活なんてできない絶対無理だ。
集まっていた少年たちはもうとっくにお開きしていたみたいで直ぐに助けを求められる状況じゃなかった。ただ自分の力で逃げなければならない。怖くたって逃げなければ、最悪の事態を考える。それが現実になってしまえば私はここでの生活を一ヶ月も続けることなく自ら命を絶つだろう。これからずっとこんなふうに逃げ回らないといけないのか。ついてこなきゃよかったかなあ。勤務中はユールさんが守ってくれる。ユールさんがどうして男装してるのかやっとわかった。女じゃ舐められる。
「こっち。」
曲がり角で腕を引かれ暗い部屋に入った。
外からバタバタと走る足音がした。
「大丈夫か?」
「チャド、さん…」
息切れしている私の背中をさする。ああ、どうしてこんな助けてほしい時に助けてくれるの。
「ぅぅ、チャドさん…怖かったぁぁ」
えぐえぐと泣きつく私を困ったような顔をして頭を撫でてくれた。
「俺が力になれること、あるか?」
優しすぎる。もしかしたら私と同じ気持ちなのかな、なんてね。少しだけ自惚れたいの。
「今夜はそばいて。」
ごめんなさい、少しだけずるい事を言わせてね。
私はすぐに声をかけた。
「え?俺?」
彼は驚いた顔をして聞き返した。彼と彼の周りの人だけジャケットに赤い線が引かれている。これはどういう意味なんだろう。
「はい!」
「チャド。チャド・チャダーン。」
「名前まで素敵。」
思わず思ったことが口から出た。愛らしいの一言だ。なんて素敵な人なんだろう。これが一目惚れか。
「は?」
「えへへ、覚えました。よろしくお願いします、チャドさん!!」
「チャド気に入られたな。」
こんなに素敵な人なんだ。好きになるなという方が無理な話だ。
「チャドさん年は?私は19だけど、」
「今年で17。あんたより年下だよ。」
若い……!!こんなにかっこよくて年下なの?17か、じゃあまだまだ成長途中なわけだ。
「そっか、私の方がお姉さんなのか。チャドさん大人っぽいからてっきり私より年上だと思った。年下でも素敵だけどね。」
「俺に何期待してるか知らないけど俺はヒューマンデブリだ。あんたのそばにはいられないぞ。」
ヒューマンデブリ。この世界では宇宙のごみみたいな値段で取引される存在だ。自由になるには自分を買い戻すか登録書を手に入れるしかない。多分マルバに私が買うといえば買えるだろうけどご指名となればとんでもない値段を言われるだろう。
私が惹かれたのはチャド・チャダーンという人間だ。ヒューマンデブリだろうと関係ない。
「いいの。私が勝手にあなたを好きになっただけだから。」
「え、何言って、」
初心な反応がおもしろい。かわいい子だ。
「クロエちゃん、こっちの相手もしてくれよ。」
偉そうなおじさんに話しかけられる。なんとなくこの人たちは苦手だなあ。優位に立った気でいる。クソみたいな男ども。
「あはは、待ってくださいよ。」
これからこんな所で働けるんだろうか。自分の身を守る術を身につけた方がいいな。私だけじゃない。ここのみんなを守れるくらいの。
「クロエちゃんも大変だよなあ、こんな男だらけのところに連れてこられて。ユールとかいう奴はクロエちゃんと付き合ってんの?」
「まさか、ただの上司ですよ。」
気持ち悪い。明らかに仮面を被ってる。優しいふりして何をするつもりなのかなんてお見通しだ。
「好きな人がいるので、ユールさんのことは何とも。」
「あいつらの中か?」
「まさか。」
ここで正直に答えたら絶対チャドさんがろくな目に遭わない。なんとなくそう思った。
「それなら練習するべきだよなあ。」
やばい。逃げよう。
すぐに立ち上がったら思いきり殴られた。
「ここでは俺らの方が立場が上だってこと、覚えとけ!!」
「んじゃ回すか。」
意味なんてすぐにわかった。逃げなきゃ、逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃ。
とにかく走れ、止まるな。
これからどうしよう、ここで生活なんてできない絶対無理だ。
集まっていた少年たちはもうとっくにお開きしていたみたいで直ぐに助けを求められる状況じゃなかった。ただ自分の力で逃げなければならない。怖くたって逃げなければ、最悪の事態を考える。それが現実になってしまえば私はここでの生活を一ヶ月も続けることなく自ら命を絶つだろう。これからずっとこんなふうに逃げ回らないといけないのか。ついてこなきゃよかったかなあ。勤務中はユールさんが守ってくれる。ユールさんがどうして男装してるのかやっとわかった。女じゃ舐められる。
「こっち。」
曲がり角で腕を引かれ暗い部屋に入った。
外からバタバタと走る足音がした。
「大丈夫か?」
「チャド、さん…」
息切れしている私の背中をさする。ああ、どうしてこんな助けてほしい時に助けてくれるの。
「ぅぅ、チャドさん…怖かったぁぁ」
えぐえぐと泣きつく私を困ったような顔をして頭を撫でてくれた。
「俺が力になれること、あるか?」
優しすぎる。もしかしたら私と同じ気持ちなのかな、なんてね。少しだけ自惚れたいの。
「今夜はそばいて。」
ごめんなさい、少しだけずるい事を言わせてね。