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第1話
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「うっわぁ・・・」
目の前にそびえ立つ、何十階建てか数えるのも嫌なくらいの高層マンション。
「ここが僕の家だ」
てっきりレストランとかで食べさせてくれるのかと思っていたが、そうではないようだ。
(この人料理とかできんのかな・・・)
「突っ立ってないで早くついてこい」
アマイマスクに促され、慌てて駆け出す。
オートロックの自動ドアを開け、ロビーに入っていくアマイマスクの後ろを歩く。
自動ドアの中は高級ホテルのロビーを連想させるような豪華な造りだった。
大理石の床。
フカフカそうなソファにガラスのテーブル。
カウンターにはコンシェルジュ。
(超高級マンションじゃん・・・)
私の家とは大違い。
アマイマスクの家は最上階だった。
「お邪魔します・・・」
小さく呟いて中に入る。
部屋の中も想像通り広々としていた。
シックで統一感のある部屋。
窓から見える絶景に、思わずため息が漏れた。
そこら辺に座っていろ、と言われたが、広すぎてどこら辺に座ればいいのかわからない。
とりあえずリビングの高級そうな絨毯の隅にちょこんと正座した。
少しして、アマイマスクがコーヒーとクッキーを持ってきてくれた。
ちゃんとした食事じゃなかった事に少しガッカリしたが、「いただきます」と言ってコーヒーにミルクと砂糖を入れた。
「随分な甘党だな」
角砂糖をドバドバ入れる私にアマイマスクは言った。
「あはは、まあ・・・」
苦いものは苦手だ。ブラックコーヒーなんて怖くて飲んだこともない。
しかしアマイマスクは何も入れる素振りを見せない。
(ブラック・・・?)
すごいなあと思いながら、クッキーに手を伸ばした。
「それで、提案があるんだが」
アマイマスクはコーヒーをひと口飲んで言った。
「これから次の給料日まで、僕の家に来て食事を作れ。材料は僕の家のを使っていいから」
「えっ」
予想外の言葉に頬張っていたクッキーを落としそうになる。
いつもは一人分だけ作る食事を二人分作る。ただそれだけでいいのだ。
しかも材料はアマイマスクが用意してくれる。
こんなおいしい話はない。
クッキーをコーヒーで流し込んで言った。
「ぜひやらせてくれ!!」
こうして私は次の給料日までアマイマスクの家でご飯を作ることになった。