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第1話
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A市にある小さなアパートが私の家。
帰りがけに寄ったスーパーの袋を両手に下げて外階段を上る。
あと2、3段で2階に着く、という所で、近くでものすごい音と地響きがした。
「うわっ」
音のした方を見ると、煙が立っている。
「怪人だぁ!」という悲鳴が聞こえた。
煙が立っている所までは50メートル弱。
買い物袋を家に置いてから行くか、このまま持っていくか。
本当は置いてから行きたいところだが、そのうちに怪人が暴れて遠くへ行ってしまうかもしれない。
仕方ないので、そのまま持っていくことにした。
「おいお前」
買い物袋を持ったまま煙の中にいるであろう怪人に声をかける。
土埃が引いて現れたのは、ミミズが巨大化した化け物だった。
ミミズや芋虫などの細長い系が苦手な私はおもわず顔をしかめる。
買い物袋が邪魔なので、道の隅へ置いた。
『お前何者だ? もしや・・・ヒーローか?』
ミミズの頭についたニコちゃんマークみたいな顔が喋った。
「だったら何だ。尻尾まいて逃げんのか?」
馬鹿にするように笑う。
『ふん。ヒーローには最近仲間がやられたばかりでな。だが今回はそうはいかん!』
ミミズの化物は尻尾を高く上げ、そのまま私の方へ叩きつけてきた。
軽々とよけ、距離を詰める。
姿勢を低くし両足で飛び上がり左へ回転して、正面に戻ってくるタイミングで、空中で左足を使いミミズの頭部を思い切り蹴った。
飛び後ろ回し蹴りだ。
怪人の頭部は破裂し、起き上がっていた体がゆっくりと倒れていく。
「あっおい待て! そっちは・・・!!」
(私の買い物袋がああああ!!)
もちろん死体が言うことを聞いてくれるはずもなく、買い物袋は見事にミミズの下敷きになって見えなくなった。
「あぁぁぁ・・・」
(割引してた肉とかたくさん買ったのに・・・)
私はついさっきまでB級だったし、そんな毎日怪人に出くわす訳でもないので給料は少ない方だ。
(その少ない給料で、今日のセール品を買い占めて1週間分の食料にしようと思ったのに・・・!)
「今月ピンチなのに・・・」
怪人の死体の前で膝をついて項垂れる私の前に、影ができた。
「おや、君は僕がA級昇進を許可した・・・」