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第1話
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「撃砕のアタッカーのA級昇進が許可された。これからも頑張ってくれたまえ」
男装ヒーロー活動を始めてから早1ヶ月。
毎日コツコツやっていた正義活動のおかげでB級1位になり、A級昇進を希望した。それが今日許可されたのだ。
これで私はA級39位になる。
(やっとかぁ・・・)
どうやらヒーローが上の級に昇進するには、現A級1位のアマイマスクの許可が必要らしい。
何ともめんどくさい仕組みだが、弱いやつが運良く昇進して足でまといになるのは困るし、納得はしている。
さっさと手続きを済ませてヒーロー協会の建物を出ようとすると、ロビーで声をかけられた。
「アラン、ついにA級になったのね」
振り向くと、フブキがソファに腕を組みながら座っていた。
男口調で返事をする。
「ああ、お陰様でな」
「あなたは最後までフブキ組に入ろうとしなかったわね」
C級スタートからB級になり、フブキには「私の派閥に入れ」と何度も勧誘された。
私は群れるのが好きではなかったから断り続けた。
何度も家に来られ、その度に追い返していたが、それも今となっては懐かしい思い出だ。
色々なことを思い出してふっと笑う。
「フブキ組は好きじゃなかったが、お前のことは結構気に入ってた」
「っ! ・・・何よ、もうお別れみたいな言い方ね」
頬をほんのりと赤く染めるフブキ。
「別にこれでお別れという訳では無いが、フブキ組に勧誘される事はもうないんでな」
「あら? あなただったらA級になっても大歓迎よ?」
「冗談じゃない」
そう言って笑い合う。
「まあ級は違ってもたまに飯とか食べに行こうな」
そう言ってヒーロー協会本部を後にした。
フブキは私の数少ない女友達のひとりだ。
というか唯一の女友達かもしれない。
まあ極力女とは関わらないようにしているから仕方ないのだが。
女と馴れ合っている暇などないし(自分も女だけど)、私は女性人気が高いみたいで近づいてくるやつは大体私に恋愛感情を抱いているから面倒くさい。
恋愛対象は女じゃないからドキドキするわけでもないし男装しているとバレたら色々とやばいので、結構冷たく当たってみたりした。そしたらそれはそれで「冷たいのがイイ」とか「もしかしてドS!?」とか「クーデレ」とかと騒がれたりして大変だった。
私がデレた事があるかよ。
かといって、アイドルのようにニコニコしているのも性に合わないし辛い。
結果、適当に軽く受け流すのが一番だということを学んだ。
自分で言うのもなんだが、女って扱いが大変なんだと思う。
世の中の男は苦労しているなと感心した。