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Prologue
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そのお守りは、幼い頃からヒロが大切にしていたもの。
何年か前にレイがヒロにその首飾りが欲しいと言った時、ヒロはこう答えた。
「これは俺の親父にもらった大事なお守りなんだ。親父に死ぬまで手放しちゃいけないって言われたからあげられない」
そのお守りをヒロが差し出してきた。
つまりそれはヒロの死を意味する。
「・・・いらない」
レイは俯いてつぶやく。
「いらないっ!!」
ヒロが下から顔を覗き込むと、レイの瞳からは大粒の涙がいくつも溢れていた。
「やだよヒロ! 死んじゃ嫌っ!!」
レイは呼吸も浅くなったヒロの前で泣きわめく。
家族も友達も皆殺された。
レイにはもうヒロしか残っていなかった。
「1人にしないで・・・お願い・・・!!」
ヒロの手を握りしめる。
レイの祈りも虚しく、ヒロは最後に
「ごめん・・・」
と言って静かに目を閉じ、動かなくなった。
「いや・・・いやあああああああ!!!」
瓦礫と化した小さな村に、たったひとり。
レイはまだ暖かいヒロの亡骸を抱いて、泣き叫んだ。