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第3話
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メラメラと輝く火はまるで、こぼれ落ちた夕陽の欠片のようで。
一瞬、そこで何が起こっているのか分からなかった。
数秒の間、その炎をぼーっと眺めていた。
脳内で情景がズームインされていく。
人影が見えた。
それは、業火に包まれながら逃げ惑うレイの姿。
「!!!」
一瞬で現実に引き戻される。
気がついたら来た道を全力で引き返していた。
なぜレイが浮かんだのかは分からない。
方角が合っているというだけで、あの燃えている場所がレイのいる梓村だという確証もない。
それでも俺は走った。
走って走って走りまくって、やっとの事でそこへたどり着いた時には、何もかもが炎に包まれて見えなくなっていた。
炎は高台から見たときより弱くなっているように見えた。もう燃えるための木材がすべて炭になりかけているのだ。
数少ないコンクリートの建物も破壊され、崩れ落ちている。
「・・・レイ・・・・・・?」
そう呼んでみるけれど、返事はこない。
歩いていくと何かに足が当たった。
「ウッ・・・!!」
足元にあったのは人の形をした真っ黒な炭。
胃の中のものがせり上がってくる感じがして、思わず口を押さえた。
「ッはぁ・・・っ、はぁ・・・」
落ち着いてから、再び歩き出す。
奥へと進んでいくと、焼け焦げて今にも崩れ落ちそうな鳥居があり、その先に長い長い石段があった。
石段の頂上にももう一つ鳥居がある。
火はここまでは来なかったようで、鳥居もその奥の神社のような建物も無事だった。
石段からお社までまっすぐに伸びた石畳を歩く。
その両脇一面に敷かれた玉砂利の上には、下から逃げてきたものの力尽きてしまったらしい人が何人か横たわっていた。
石畳はふた手に分かれていて、まっすぐ進むとお社、右に曲がると大きな木が立っていた。
この辺りで一番大きそうな梓の木。
周りに
その根本に、石でできた手のひらサイズの地蔵のようなものがたくさんあって、一つ一つの首には絵馬のような木の板が紐でくくりつけられていた。