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第3話
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買い物客で溢れる休日のZ市中心街。
音速のソニックはぶらぶらとその人混みの中を歩いていた。
特に何もする予定はない。
街を歩いているのもなんとなくであって、運良くライバルのサイタマに出会えたらいいな、程度の気持ちでのことだった。
街の人々は家族連れや恋人同士が多く、楽しそうに話しながら歩いている。
その中で1人ぽつんと歩く黒ずくめのソニック。仕事着ではないにしろ全身真っ黒だと目を引く。
しかしそんな彼を怪しんだり奇異の目で見る者はほとんどいなく、皆自分達の事しか気にしていない。
ソニックは通りに並ぶ店を遠目に眺めていたが、全く面白くないし気になる店も1つもない。
これなら修行をしている方がよっぽどいいと引き返そうとしたとき、視界の隅に輝く
ふわりとなびく紺碧の長い髪。
その陶器のようになめらかな肌に埋め込まれた、透き通る2つの大きな琥珀。
思わず目を見開く。
忘れるわけがない。あれは─────
「レイ・・・!?」
名を呼んだときにはすでに彼女は人波の中へと消えていた。
人混みをかき分け、レイのいたはずの場所へと行く。
そこには何も残っていなかった。
その艷やかな髪1本さえも。
ソニックは立ち尽くし、自分の拳を強く握った。
心臓がドクドクと脈打つ。
彼女の村は4年前、何者かによって襲われた。
村の何もかもが焼き尽くされた。
建物も、自然も・・・・・・人々も。
彼が村へ行ったときにはもう何もかもが炭へと化していて、何がなんだか分からなかった。
当然そこに生きたレイの姿はなく。
死体も見つからなかった。
死んだと思っていたのに。
まだ、生きてる。
見間違えなど絶対にありえない。
レイの事は片時も忘れたことはないのだから。
気づけば一筋の涙が彼の頬を伝っていた。
驚いて、涙を拭った手を見つめる。
レイに会えた。
その事実がソニックの心を大きく動かし、久しく流すことのなかった涙を蘇らせたのだ。
「・・・予定ができたようだな」
そうつぶやいて、彼も人混みの中へ姿を消した。
レイを探すために。