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Prologue
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失ったものは二度と戻らない。
どれほど強く願っても─────
悲劇は突然やって来る。
「ヒロっ!!」
レイは血まみれで横たわる相棒の元へ駆け寄った。
「ヒロっ・・・なんで、こんな・・・!」
レイの相棒・ヒロは、弱々しく笑う。
「ははっ・・・こんなんじゃレイを守るなんて言えないな・・・・・・はやく・・・逃げ・・・」
「あの変なサイボーグはもういないよ! もう大丈夫だから・・・っ!」
大丈夫なわけがない。
こんな怪我をして生きていられるなんて、レイもヒロも思っていなかった。
レイたちの住む山奥の小さな村は、ある日突然暴走したサイボーグに襲われた。
逃げまどう人々。
つんざく悲鳴。
燃え上がる炎。
その中で、ヒロはレイに言った。
「俺があのサイボーグを止めるからレイは隠れていろ」
と─────。
いくら村の道場で1番の実力の持ち主であるヒロでもあの暴走サイボーグを止められるはずがない。
それを分かっていたレイは、ヒロに「私も行く」と言った。
しかしヒロから返ってきた言葉は
─────「女にそんな危険なことはさせられない」─────
ヒロの男としてのプライドを感じたレイは、その言葉に素直に従った。
それがいけなかったのだ。
(私が無理にでも着いて行っていれば!!)
武術を始めてひと月しか経たないレイが行ったところで何の役にも立たないことは分かっていた。
それでも行けばよかったという後悔の念が押し寄せる。
「そうか・・・もう、行ったか・・・・・・」
ヒロは暴走サイボーグがいなくなったことを知り、安堵の表情を浮かべる。
「レイ・・・・・・無事で・・・よかっ、た・・・」
ヒロは痛む体に鞭打ち、懐を探る。
そして紺碧に輝くトンボ玉のついたお守りを取り出した。
「これを・・・」
レイはそれを見て絶望したように目を見開く。