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第2話
名前変換
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結局昨日はサイタマに断られ続け、弟子にはしてもらえなかった。
しかし私はその後サイタマを尾行して家を突き止めていた。
バレたらストーカーだと通報されそうだが、小さい頃から気配を消すのが得意だったから平気だった。
Z市のゴーストタウンはフェンスで囲われている。
私は昨日サイタマが入っていった金網の穴の空いた部分からゴーストタウンへと足を踏み入れた。
「うわぁ・・・」
なんとも言えないどんよりとした空気。
人気は全くないのに、何かがいる気配はする。
(気持ち悪・・・)
サイタマの家に向かって歩いていると、後ろに気配を感じた。
瞬時に振り向くと、そこにいたのは最近S級入りした新人ヒーローのジェノス。
「こんなところで何をしている」
明らかに私を怪しんでいる様子だ。
「お前は確かB級1位の “撃砕のアタッカー” か」
(こいつなんで私のこと知ってんの? たいしてランクも高くないのに)
「あ、ああ。今日A級に昇格したけど」
ジェノスの事はよく知っていた。
19歳の若さでS級デビューした天才とネットで騒がれていたのを見たのだ。
私も同い年なのにこの差はなんだ。
運動神経には自信があったのに、筆記試験の著しい漢字ミスのせいで、体力50点・筆記23点のギリギリ合格でまさかのC級スタート。
しかしあれから死にものぐるいで毎日トレーニングとヒーロー活動を重ね、今は順位をどんどん上げている。
今の私ならレベル虎くらいの怪人なら簡単に倒せる。苦戦したけどレベル鬼を倒したこともあるくらいだ。
だからヒーローネームには “撃砕” という言葉が付けられた。
・・・気に入ってはいないが。
「ちょっとこっちに用事があってなー」
私はうまく誤魔化してそそくさと逃げようとした。
「嘘をつけ。この辺りには何も無い。何を隠している?」
簡単には逃げられないようだ。
かと言って頭のよろしくない私はジェノスを納得させるような説明も思いつかない。
強い奴がいるから弟子入りしに来たなんて言っても、こんな所に人が住んでいる訳がないと言われそうだ。
(・・・戦うか?)
ジェノスは高火力の炎を出して戦うらしい。
時には辺り一面焼け野原にしてしまう事もあるとか。
ここは無人街だから向こうも容赦はしないだろう。
本当に一面焼け野原にされるかもしれない。
私は戦闘力は割とある方だと思うが、果たして炎に対抗できるか。
(どうしよう・・・)